写真ギャラリーは大きく分けて2種類ある。
一つは、自分でお金を払って写真展の期間中ギャラリーを借りるもの。
もう一つは、メーカー等が広報活動の一環として行っているもので、ギャラリー側の審査に受かれば無料で写真展会場を貸してくれるもの。
前者の場合は、ギャラリーのレンタル料金を払い、ギャラリー側のスケジュールが空いていればいつでも開催できる。後者の場合は審査は厳しいが、逆に審査に通り写真展が行えるものは一定のレベルが保証されるので、一般的に世の中の評価は高い。写真雑誌で写真展を取り上げられることも多い。また、審査に落ちた場合に改善点を指摘してくれるギャラリーもあり、これにより自分の作品をより高める事ができる。私が過去3回行った写真展は全て後者だ。一人で悩みながら撮り貯めてきた作品を提出し、落選を繰り返す事で作品のレベルが上がってきたのを実感できた。言うまでもなく、今回も後者の写真展を行うつもりだ。
9/20/97 (土)
4年半前に写真展を行った「ドイ・フォト・プラザ渋谷」に、写真展審査のスケジュールを電話で聞いてみた。前回の写真展でお世話になった青野さんという女性が、現在写真展の責任者になっておられた。青野さんは、昨年Capaという写真雑誌で取材を受けて掲載された事もある方だ。「4年程前に、東京湾岸の写真展を行わせていただいた永井ですが....」と言うと、嬉しい事に憶えて下さっていた。
青野さんによると、次回の審査は10月に行われ作品応募の締め切りは9月末。10月審査分は来年5月以降に開催される写真展のスケジュールを決めるためのものとのこと。
提出までの余裕を考えると準備期間はあと1週間しかない。従って、写真展審査用のプレゼン資料と説明資料はこの週末にまとめる必要がある。
私の場合、写真展審査用のプレゼン資料は以下のような構成でまとめている。
- 作品の35mmスライドフィルムをアンチ・ニュートングラスで保護したプラスティックス製の黒枠フィルムマウント(スエーデンのBiWeX社製のもので、Gepeというブランドで販売されている)にマウントする。これにより、原版にダメージを与える事を防ぐ。
尚、フィルムマウント裏の白い部分に鉛筆で撮影場所・撮影日・使用機材・使用フィルム等をデータとして記入する。
- このマウントを黒いプレゼン用フレーム(厚さ数mmの厚紙にフィルムマウント固定用の穴が開けられている)に固定する。黒いフレームに入れるのは、視覚的な効果を狙っており、黒いフィルムマウントを選択したのもそのため。
- このプレゼン用フレームを同じ色の黒いケースに入れて、完成。
説明資料では以下を記述する。将来ホームページで公開する事も考慮し、ワープロではなく直接HTMLファイルをテキストエディター秀丸で編集して作成、画像と説明文のテキストを組み合わせる。Netscape Navigatorで内容を確認しながらテキストファイルを編集する作業を続ける。
- 写真展要旨
- 各作品の説明。今回は各作品をスキャナーで取り込み画像の横に説明文を付けるようにした。
- 作者略歴
- 住所・電話・電子メール・URL等の連絡先
この日は午前3時までかけてプレゼン資料を仕上げ、説明資料を20%程作成した。
9/21/97 (日)
朝から説明資料の準備が続く。
スキャナーでスライド・フィルムから画像を読み込み、Adobe Photoshopで一定の大きさに変換し、アンシャープマスクをかけて、白い枠を付けて、説明文を付けるという作業を繰り返す。このような定型作業には、Adobe Photoshop V4で新たに追加されたアクションの機能は非常に有効だ。夕方、一旦プリントアウトしてみた。4年半前の写真展の説明資料はテキストのみのワープロ文書だったので、説明資料上の作品番号とフィルムマウント上の作品番号を一つ一つ照らし合わす必要があったが、今回の説明資料は作品の小さな画像がプリクラ程度の大きさで説明文の横に小さく付けられているので、分かりやすい体裁になっている。4年半はあっという間だったが、技術の進歩もあっという間だ。
夜になって審査提出用のプレゼン資料と説明資料は一通り完成した。あと数日寝かせた上で再度チェックし、ドイ・フォト・プラザ渋谷に提出だ。
明日から会社だというのに、また1週間前と同じく、写真展のことを色々と考えてしまって寝付けない。考えてみれば、東京湾岸の写真展を行っていた頃はいつもこのような夜が続いていた。このようなことは久し振りだ。
9/23/97 (火)
今回の写真展はインターネット上の私のホームページと連携することを考えている。今回の審査ではその企画も提出する必要があるので、プランの概略をワープロ一枚にまとめた。提出する資料の内容は以下の通りだ。
----------(以下、資料より抜粋)------------
- ホームページでの同時作品発表: インターネット上のホームページで、写真展開催期間中に写真展の全作品を発表します。(現在の作品"So
Comfortable!"は写真展展示作品と差し替えます)
これは、ホームページで写真作品を見た方々に写真展会場に来場していただくことと、写真展に来場できない全世界の方々にも写真展を知っていただくことを狙いとします。
- 「写真展日記」(仮題)の発表: 写真展を行うことを思い立った時点から、審査用資料作成・写真展審査への提出・写真展開催決定・写真展準備・写真展開催・写真展終了までを日記形式でホームページに連載します。これは、優れた作品を持っていて写真展を開催したいと思っていながら、写真展の開催方法が分からない方々の参考にしていただくことを狙いとしています。
- 各種インターネット上でのメディアでの告知: インターネット上のメディアで写真展開催を告知します。これは、インターネット・ユーザーにも写真展に来場していただくことを狙いとします。
----------(以上、資料より抜粋)------------
実は今読んでいただいている写真展日記も今回の写真展の目玉だ。前回・前々回の写真展での反省の一つとして、記録を取っていなかった点があった。この反省があって、前回の写真展の翌年の米国南西部撮影旅行からは、写真活動の記録を克明に取るようにした。今回の写真展開催までの道のりも、重要な記録としたいと思っている。
9/24/97 (水)
写真展審査用の資料はもう一つある。このホームページにも登録している旅行記だ。A4で印刷すると米国南西部旅行記で14ページ・豪州東部旅行記で11ページあり、時間がかかってしまうので、一番最後に回していた。
試しに1ページだけ印刷してみると、最後の行の文字列が半分しか印刷されない。使用しているブラウザーはNetscape Navigator V3だ。印刷プレビューで見てみると、確かに最後の行のみ上の方の一部分しか印刷されないページが所々あった。この場合、次のページの先頭行も同様に下の方の一部分しか印刷されない。写真展説明資料を印刷した際には写真の部分が多かったのでこのようなことはなかったのだが、旅行記は文字が多いのでこの現象が発生するようだ。色々と余白の設定を変えてみても変わらない。色々と考えた末、もしかしたらNavigatorをバージョンアップしたら直るかもしれないと思い、起動が重いため導入を思い止まっていたNetscape Communicator 4.03を導入してNavigator V4を起動して試したらあっさりと直った。
EPSON PM700Cで普通紙に印刷してみると、それなりの画質で印刷ができた。
写真展説明資料に一部ミスタイプを発見したので、これはフォト・クオリティ・ペーパーを使用して印刷する。フォト・クオリティ・ペーパーと普通紙を比べると、画質の次元が全く違う。審査員はまず写真展説明資料に目を通すので、印象をよくするためにも説明資料は出来るだけきれいに仕上げる必要がある。
昔に比べるとプリンターはだいぶ速くなっているが、枚数が多く印刷画質も上げているので、やはり時間がかなりかかってしまう。全部の印刷が終了したのは午前1時半過ぎだった。
9/25/97 (木)
嬉しいことに今日この写真展日記の感想をメールで2通もいただいた。掲載を始めてまだわずか2日間だ。インターネットのレスポンスの速さを改めて実感した。ありがとうございました。大きな励みになります。(^^)
最近このホームページの感想をメールでいただくことが多い。今週は他にイタリアにお住いのアーティストの方と日本在住の中国からの留学生の方からメールをいただいた。海外からメールをいただくと、英語のメニューを作っておいてよかったと思う。本当はこの写真展日記と旅行記も英語版を作りたいのだけれど、かなり体力が要りそうなので今はちょっと無理。しかし将来は全て英語版にしたい。
写真展審査用のプレゼン資料と説明資料の最終チェックを行う。今週末に提出する予定だ。資料の準備を始めてからわずか1週間弱で用意できたのも、撮影した作品をまとめるためにこのホームページを作っていたおかげだ。私の場合、作品を発表する際に時間がかかるのは大きい方から、1.セレクション、2.作品のフォーマッティング、3.撮影の順だ。自分の作品への思い入れを削ぎ落とす分、セレクションに時間がかかってしまう。例えば、今回の作品は全て96年3月の時点で撮影を終えているのだが、最後の豪州で撮影した作品をある程度客観的に見る事が出来るようになるまで半年かかってしまった。その後さらに1年間放っておいたのだが(^o^;)、この作品を寝かせる時間はセレクションを行う上でとても重要なのではないか? 自分の写真に対する思い入れというのはとても重要だが、ともすれば独り善がりなものになってしまうことも多い。写真を他人に見せるためにはこの思い入れからなるべく自由になり、ある程度自分の作品を突き放して見ることが必要である。
また、セレクションを通じてじっくり考えたことを次回の撮影に生かす事でよりよい作品作りができる。撮影は限られた時間しか与えられないだけに、自分はどういう作品を撮りたいのか、自分が撮りたい作品を撮るためにはどうすればよいのか、そもそも自分の写真はどういうものなのか、等をじっくり考える時間というのは大切だ。この点だけでも、ホームページで写真を発表し自分の写真のことを考えた続けた2年間は十分に意味があったように思う。
9/26/97 (金)
今日の夕方、ドイ・フォト・プラザ渋谷に審査資料を提出した。「写真展をやろう」と思い立ってから正味12日間、考えてみれば早いものだ。最終的に提出した資料は以下のものだ。
- プレゼン資料 (35mmスライドフィルムでのポートフォリオ48点)
- 写真展要旨・各作品の説明・作者の略歴をまとめたもの(A4計6枚)
- インターネットとの連携に関する企画資料(A4計1枚)
- 米国南西部撮影旅行記(A4計14枚)
- 豪州東部撮影旅行記(A4計11枚)
- 9月15日から9月25日分の写真日記(A4計3枚)
資料のボリュームだけは、少なくとも他の平均的な応募者よりも多いだろう。(^o^;)
ギャラリー責任者の青野さんに説明資料を元に内容を一通りご説明した。4年半前の写真展の事は憶えていて下さっていて、「永井さんは夜の写真というイメージがあったんですけど、明るい写真も撮るんですね」とのこと。確かに東京湾岸の写真を撮影していた頃は、活動時間は夜中が中心だった。今回は、基本的に明るい太陽の下で撮影した作品ばかりだ。この点からすると、性格的には正反対の作品だなぁ、と、自分でも改めて新しい発見をした思いだ。
予定では、写真展の審査は10月の第1週に行われ結果は第2週に出るとのことだ。思ったよりも早く結果が出る。応募用紙には写真展の開催希望期間が記入できるので、本業の仕事のことも考え、夏休みが取り易い98年7月−8月の間を希望した。審査に通った場合、実際の写真展はこの期間中の1週間になる。
しばらく審査結果待ちになるが、結果が出る間に写真展の予算の事なども考えていきたいと思う。
ところで、このホームページの累計アクセス数が、本日ついに20,000を突破した。アクセスして下さった皆様に感謝!!
9/28/97 (日)
実は26日(金)に写真展審査資料を提出してから家に帰る途中、大和駅の近くの店に立ち寄り駐車場に車を停めて1時間程店に入っている間に駐車場荒しにあってしまい、家に帰ったらバッグがなくなっていた。札入れ(数万円入)・クレジットカード・キャッシュカード・運転免許証・健康保険証・実印・携帯電話・仕事のこと全てが書いてあるシステム手帳・名刺入れ・その他もろもろが入っていた。すぐに警察に盗難届けを出した。
当日はショックが大きく「写真展日記」の9月26日分を書いただけで寝てしまったが、落ち込んでばかりもいられない。この週末はキャッシュカード・クレジットカード・携帯電話を停止したり、月曜日の休暇届を出すために休みの会社に出たり、月曜日の連絡先(健康保険証の再発行依頼先・印鑑証明を停止するための市役所の連絡先・等)を確認したり、手持ちの現金が1500円しかないので実家まで行ってお金を借りたり、と、対応に追われた。 買ったばかりのサングラスやノートパソコンとモデムの接続キットも入っていたりして、合計被害額は10万円程になりそうだ。でも見付からないかなぁ。お金は諦めるから。海外では、この手の危険に対しては特に気を付けているので今まで被害にあったことはなかったのだが、国内ということで油断していたようだ。国内でも海外と同様の心構えをしなければいけない時代になったということだろうか。
今回の被害は金銭的なものであり、また時間的に2−3日かければ回復するものだが、もし写真展審査用のプレゼン資料(オリジナルの原版で構成)を盗まれていたら、と思うとゾッとしてしまう。盗んだ方にとってみれば何の価値もないものであっても、私にとっては12年間の写真活動の結晶だ。もし盗まれたら10日間程寝込んでしまうかもしれない。提出済で車内に置いていなくてよかった。(^o^;
皆さんも気を付けましょう。車の鍵は窓枠からハリガネを突っ込むと簡単に開くそうです。相手はプロですから非常に手慣れています。車の中と言えども、盗みのプロからすればそこら辺に置きっぱなしにしているのと同じ。貴重品は車の中に置かないようにしましょう。また、貴重品はなるべく分散しておいた方がよいことは言うまでもありません。
明日は有給休暇を取り、運転免許の再発行・キャッシュカードの再発行・実印の停止、等々を行う予定だ。ただでさえ仕事と写真展の準備で忙しいのに、困ったものだ。