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■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
                     http://www.takahisanagai.jp
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■■■今回のポイント■■■
第七の心得、「そして何よりも、写真を楽しむ」。
写真の外にある世界では、個人々々が皆楽しみながら、世界に大き
な革命を起こした事例があります。

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≫≫本メルマガについて≪≪≪

 本メルマガは、「ライフワークは写真」と考える方々に、
 プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという生き方
 を提案します。

 7つの心得を順番に紹介しています。(詳しくは下記参照)
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html

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第045号:2005/08/07
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■■■目次■■■
【前号のポイント】
【第七の心得:写真を楽しむ 2】
【あなたの声を聞かせてください】
【『風の写真館コレクション』より】
【あとがき】


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【前号のポイント】
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●第七の心得は、「そして何よりも、写真を楽しむ」です。
ここで改めて、何故写真を撮るのか、考えてみましょう。

●私が通っていた母校の写真部は写真活動が活発で、1年間に写真
を発表する機会が沢山ありました。常に写真のことばかりを考えて
いた生活になります。

●多くの写真展で、部員は出品を義務付けられていましたが、私は
写真が好きでしたので、夢中になって写真を撮り続け、このような
生活を楽しんでいました。

●しかし中には、このように写真展が次から次へと訪れることを苦
痛に感じる人も多かったのも、残念ながら事実でした。義務で撮る
写真は、苦痛です。

●アマチュアが義務として写真を撮る必要性は、全くありません。
自分で主体的に写真を撮るべきです。そもそも、ビジネスではなく、
自分の人生の中の重要な一部分なのです。

●論語の中で、「子曰、知之者不如好之者。好之者不如楽之者」
という一節があります。「あることを知っている者、それを好きな
者も、楽しんでいる者には及ばない。 何事も楽しんで出来れば、
成果も充実感も全く違う」という意味です。

●写真も全く同様です。プロフェッショナル・サンデー・フォトグ
ラファーと、職業的プロフェッショナル・フォトグラファーを分け
る一つの基準に、写真を楽しんで撮っているかどうか、という点を
入れてもよいかもしれません。

ということでした。

下記で前号について詳しくご覧いただけます。
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp44.html

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【第七の心得:写真を楽しむ 1】
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「心から楽しむ」とはどういうことでしょうか?
実際に事例で考えてみましょう。

今回ご紹介する事例は、写真の事例ではなく、コンピュータの世界
の事例です。コンピュータに詳しくない方々でも分かる話なので、
ご安心下さい。

「リナックス」という言葉はお聞きになったことはありますでしょ
うか? 最近、コンピュータの世界で大きな革命を起こしているキ
ーワードです。

リナックスは、大企業が生み出したものではありません。
ボランタリーの人たちが生み出したものです。

このリナックスの事例から、プロフェッショナル・サンデー・フォ
トグラファーのあるべき姿へのヒントが得られます。

リナックスは、オペレーティング・システムと呼ばれるカテゴリー
のソフトウェアです。

コンピュータを動かすためには、コンピュータそのものを管理する
オペレーティング・システムというソフトウェアが必要です。

例えば、皆さんがパソコンで使用しているウィンドウズや、マッキ
ントシュを動かすためのマックOSも、オペレーティング・システ
ムの一つです。

通常、オペレーティング・システムは、コンピュータ会社や、マイ
クロソフト社のようなソフトウェア会社等の大企業が、多くの開発
者を動員し、莫大な開発費を投資して開発しています。

リナックスもオペレーティング・システムの一種です。
ただ、他のオペレーティング・システムと異なるのは、企業ではな
くボランタリーの人達が集まって開発している点です。ボランタリ
ーによる開発ですが、信頼性・性能ともに高く評価され、世の中へ
急速に普及しています。

かたや、大企業が巨額の投資を行い開発。
かたや、ボランタリーの個人が集まって無償の行為により開発。

前者を職業的プロフェッショナル・フォトグラファーに例えるなら、
後者をプロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーに例える
ことが出来そうです。

何故、リナックスのような開発が出来るのでしょうか?

リナックスは、1991年、フィンランドのリーナス・トーバルズ
という当時ヘルシンキ大学に在籍していた学生が、自分で作ったソ
フトをインターネットのニュースグループ上で公開したことから始
まりました。

これに世界中の有能なプログラマーがネットワークを介して集まり、
共同でチューンアップし、瞬く間に強力なソフトウェアに育て上げ
ていきました。

リーナスは著書の中で、何故リナックスが成長したのかについて以
下のように語っています。

 リナックス・コミュニティのメンバーは、最も美しく最高のテク
 ノロジーを作り上げる全地球規模の共同作業の一翼を担っている
 ことを愛している。(リナックスは世界一の規模を誇る共同作業
 だ) それだけのことだ。そして、それが楽しいのだ。

楽しいこと。

これがリナックスがコンピュータの世界に革命を起こした原動力に
なっているのです。

リーナスが述べている通り、彼やコミュニティ・メンバーにとって
のリナックスは、金銭的報酬ではなく、最高の楽しみを与えてくれ
ることに意味があるのでしょう。

尚、リーナスは大学卒業後もしばらくはリナックスとは全く別の仕
事で生計を立てていましたが、2003年になってODSLという
リナックスの普及促進に取り組む団体に移籍しました。

ビジネスとして大成功しつつあるリナックス。コミュニティにも大
企業の技術者が多数参加してきています。今後も「ただ楽しいから
参加する」という当初の精神を維持できるか、興味深いところです。

写真に例えると、自己表現として撮り続けた写真が世の中に広く認
知され、ビジネスとして立ち上がった場合、楽しみを持ち続けて写
真と関わることが出来るか、という点に通じるものがあります。

この観点でも、リナックスの今後の動きに注目していきたいと思い
ます。

次回も、引き続き事例をご紹介します。

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【あなたの声を聞かせてください】
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あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。

mailto:news@takahisanagai.jp

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【『風の写真館コレクション』より】
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今回は、Tokyo Bay Areaシリーズから「羽田の夕陽 - 京浜島、1988」
です。

羽田空港・北側にある城南島で撮影していると、西の雲の切れ間に
太陽が沈んでいくのが見えました。雲の輪郭が輝いた瞬間を収める
ことができました。

http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-040.html

『風の写真館コレクション』への登録は下記でどうぞ。
http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html

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【あとがき】
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ここ数日、ライフワークの一つである東京湾岸の作品を整理してい
ます。

今まで、89年の写真展で40作品、93年の写真展で40作品、
合計80作品を発表しましたが、全体を再構成するために再度セレ
クションしています。

改めてセレクションしてみると、89年の40作品のうち25作品、
93年の40作品でも34作品しか残りませんでした。合計59作
品です。

今回のセレクションから漏れた21作品は、現在の私の基準では選
ぶことはできませんでした。これはちょっとしたショックでした。

私の基準がこの10年で上がったのか、とも考えましたが、これだ
けでは説明し切れません。

恐らく、10年以上の時間を置いたために撮影当初の思い込みがき
れいに洗い流され、さらに写真展に必要な40作品を用意しなけれ
ばならないという当時の制約条件からも開放され、客観的にセレク
ションできたのが理由だと思います。

改めて「作品に対する思い入れ」の危うさを実感しました。
怖いことですね。

では、また。

                          永井孝尚

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発行人:永井孝尚 mailto:mail@takahisanagai.jp

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