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■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
                     http://www.takahisanagai.jp
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■■■今回のポイント■■■
写真展の審査の壁は思ったよりも大きいのです。
だからこそ、チャレンジし甲斐があるというものですね。

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≫≫本メルマガについて≪≪≪

 本メルマガは、「ライフワークは写真」と考える方々に、
 プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという生き方
 を提案します。

 7つの心得を順番に紹介しています。(詳しくは下記参照)
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html

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第042号:2005/06/26
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■■■目次■■■
【前号のポイント】
【第六の心得:作品発表の場を、自分で創る 8】
【あなたの声を聞かせてください】
【『風の写真館コレクション』より】
【あとがき】


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【前号のポイント】
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●写真展審査の考慮点はありますか?

写真展審査では「プレゼン資料」を提出し、審査されます。
プレゼン資料とは、それ自体で自分の作品を雄弁に語る資料であり、
審査員の方はこのプレゼン資料で作品を判断し、審査の決定を行い
ます。

プレゼン資料の制作は、どのような狙いでこの作品を撮っているか、
再度自分で問い直してみる絶好の機会でもありますので、プレゼン
資料作成には十分に手間をかけましょう。

プレゼン資料は以下の構成になります。

・作品(ポートフォリオ)

簡単に言えば「作品集」です。

一旦優れたポートフォリオを作れば、あなた自身が多くを言葉で語
らなくても、ポートフォリオがそのまま作品を語ってくれます。

ポートフォリオの装丁等に配慮することで見違えるような作品にな
ります。大きいカメラ専門店ではポートフォリオを制作するための
様々な材料を用意していますので、試してみることをお勧めします。
いくつか方法をご紹介します。

 ・六切から大四切程度のプリントをポートフォリオバインダーに
  入れる方法

  サンプルはこちら
  ポートフォリオ・バインダーの外観
  http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/portfolio2.jpg
  ポートフォリオ・バインダーの内側
  http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/portfolio1.jpg


 ・プリントを透明なリーフに入れて、プレゼンテーションケース
  に入れる方法

 ・ポートフォリオマウントを使用する方法

  サンプルはこちら
  http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/portfolio0.jpg

・作品の説明資料

写真展全体の狙いと各作品の説明を記述します。
ポートフォリオの各作品と対応する形で説明文も付けます。

サンプルはこちら
1997年に写真展「風の景色」の審査を受けた際の資料です
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/pub-material0.jpg

・作者の説明:主に写真に関する経歴の他、連絡先等を記述します

・補足資料:写真展に関連する資料があれば添付します。

ということでした。

下記で前号について詳しくご覧いただけます。
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp41.html

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【第六の心得:作品発表の場を、自分で創る 8】
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●写真展の審査に何回も続けて落選しています。何が悪いのでしょ
うか?

実は私も、第2回目の写真展審査では、3−4回落選して作品を撮
り直した末、開催に至りました。

一般に、審査に落選した理由として以下が考えられます。

・写真の撮り込みが甘い

写真展では、人に強いメッセージを伝えられる写真が40点以上必
要ですが、他人にその表現意図が伝わらなければ審査には通りませ
ん。

単に撮影に時間をかければよいというものではありませんが、やは
り撮り込みは十分に行う必要がありますし、少なくとも、「このテ
ーマに関しては他の誰にも負けない」、と言い切れる程度の撮り込
みを行った状態で審査に臨みたいものです。

・セレクションが甘い

これは第五の心得でご紹介した通りです。

写真展では、テーマに絞り込んで写真作品を厳選し、写真展全体を
構成する必要があります。逆に、その写真が加わる事で写真展の狙
いがボヤけてしまうような作品を、写真展の点数合わせのために加
えてしまっては本末転倒です。

作品集として考えた場合、テーマが拡散した作品を100点集める
よりも、テーマを徹底的に絞り込んだ作品を10点集めた方がはる
かにインパクトが強くなります。

俳句や詩等も言葉を削り洗練していくことによりその美しさが昇華
されていきます。私は写真も同じなのではないかと思います。

・プレゼン資料作成に手を抜いている

作者の写真に対する姿勢と写真を見ていただく方に対する誠意はプ
レゼン資料に現われます。

プレゼン資料は独り善がりにならないようにすべきですし、審査員
の方々に読んでいただく資料は分かりやすさを第一に考えて作成す
る必要があります。

詳しくは、前号のポイントをご覧下さい。


写真展審査に落選するとその場ではがっかりするものですが、落選
自体は必ずしも悪い事ではありません。

むしろ、「これから作品を成長させるチャンスをいただいた」と考
えてみてはいかがでしょうか?

落選した理由を親切に教えてくれるギャラリーもありますので、そ
こで得られたアドバイスを元に再度撮り込みを続ければ、必ず作品
は成長します。

審査に申込んだ時点で既にある程度のレベルを持った作品は数十点
集まっているのですから、この中の作品を何点か差し替えるだけで
も全体の質は向上します。

苦しみながら切磋琢磨する間にも作品の質と写真の腕は知らぬ間に
向上しているものです。

落選は成長のための大きなチャンスです。お互い、頑張りましょう。




●写真展開催が挫折しかけています。どうすればよいでしょうか?

多くの方々にとって、自分の写真展開催は夢だと思います。

夢を実現するためにはまず最初に自分の夢を具体的に持つことが必
要ですね。

自分はどのような写真展を行いたいのか、具体的にイメージしてみ
てはいかがでしょうか?

私が写真展開催のために審査落選を繰り返しながら準備を進めてい
た際、最初に写真展を開催して自分が開催者として会場でお客さん
に接している場面を具体的にイメージしました。

小説の一番最後をイメージしているようなものです。

具体的に明確にイメージできるようになってから、実際に写真展を
行うためには自分は何をいつどのように行う必要があるのか、行う
べき事をイメージとして具体的に固めていき、それらを試行錯誤を
しながら実行していきました。

小説の最後から順に読んで行っているようなものです。

さらに、そのイメージが実際に実現できているということを潜在意
識にインプットし続けました。

潜在意識に働きかけるイメージトレーニングの一種ですが、これは
夢にチャレンジする際には大変有効な方法です。

スポーツの世界では、イメージトレーニングは勝負の瞬間に無駄な
力みを取り去り最高の力を発揮するために行われます。

イメージトレーニングは、写真展準備を進める上でマイナス思考を
プラスの方向に変え、意識を写真展開催に向けて集中させる意味合
いがあります。

また、言葉は非常に強い力、魂を持っています。

以前、ある宗教集団が、修行と称して信者に同じ言葉を何千回も唱
えさせることを行いましたが、ことの是非は別として、潜在意識に
インプットさせる方法としてこれは非常に理に適った方法です。

試しに一ヶ月間、例えば毎朝目が醒める度に

「よし、写真展をやるぞ」

と一言声を出して言ってみる習慣をつけてみて下さい。潜在意識に
対する働きかけは想像以上に大きいものがあります。

逆に、否定的な言葉は知らない間に潜在意識にインプットされ、夢
を実現させるための大きな障害になります。

「どうせ写真展なんてできっこない」

という考えが頭に浮かんだとしても、それを口に出す事で潜在意識
に非常に大きなマイナスの働きを与えてしまいます。「どうせ自分
は....」という否定的な言葉は、「自分は(具体的に)このように
することで将来このようになりたい」という建設的な言葉に変えて
いきたいものです。

ともすると、写真で活躍している他人と、審査落選を繰り返し写真
展をなかなか開催できないでいる自分を比較してしまい、焦り、必
要以上に卑下してしまうこともあるかもしれません。

しかし、いいじゃないですか?

「他人は他人」
「世の中に一人しかいない自分は自分らしく自信を持って生きる」

と思うことが、自分を見失わず、夢を実現するためには重要なこと
ではないかと思います。

夢は諦めた時点で夢に終わります。
追いかけ続ける事で、夢は実現に近づいています。

しかし、夢が実現できないかもしれません。

それでも、いいじゃないですか?

夢のために切磋琢磨した経験は、必ずあなたの成長の糧になって残
りますし、あなたを一回り大きくします。

何よりも、夢を実現するまでの過程を楽しみましょう。

以上、第六の心得の最終回として、写真展の審査について述べさせ
ていただきました。皆様のご参考になれば幸いです。

次は、第六の心得のまとめをお送りします。


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【あなたの声を聞かせてください】
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あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。

mailto:news@takahisanagai.jp

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【『風の写真館コレクション』より】
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今回は「風の景色」シリーズから"Farukolufushi, Maldives, 1990"
です。

クリスマスの時期、モルディブは乾期なのですが、この旅行では何
故か雨がよく降りました。ある夕方、レストランに行こうとして歩
いていると、雨上がりの水平線上に雲が淡いパープル色に染まり、
心洗われる美しい夕暮の光景を見せてくれました。

http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-037.html

『風の写真館コレクション』への登録は下記でどうぞ。
http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html

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【あとがき】
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最近、デジカメで普段よく行く店の中の写真を撮らせていただいて
います。

八百屋やカフェ、雑貨屋が集まった店なのですが、とてもいい雰囲
気で、私も気に入っていることもあって、いい写真が撮れます。

このようにスナップ写真の面白さを感じるのは久し振りですね。
できれば、いい作品に成長していってくれるといいな、と思ってい
ます。

では、また。
                          永井孝尚

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発行人:永井孝尚 mailto:mail@takahisanagai.jp

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