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■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
http://www.takahisanagai.jp
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■■■今回のポイント■■■
写真展審査は、写真展開催のための最大の関門です。
実は、素晴らしい作品が出来上がっても、そのまま審査に通る訳で
はないのです。どんな準備が必要か考えてみましょう。
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≫≫本メルマガについて≪≪≪
本メルマガは、「ライフワークは写真」と考える方々に、
プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという生き方
を提案します。
7つの心得を順番に紹介しています。(詳しくは下記参照)
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html
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第041号:2005/06/12
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■■■目次■■■
【前号のポイント】
【第六の心得:作品発表の場を、自分で創る 7】
【あなたの声を聞かせてください】
【『風の写真館コレクション』より】
【あとがき】
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【前号のポイント】
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●写真展の費用は全部でどの位かかりますか?
実際にかかる費用は下記の通りです。
・作品のプリント料金
ラボ等に頼む際に写真展を行う旨を伝えると、通常よりも安くプリ
ントできる場合があります。また、自分で暗室でプリントしたり、
カラープリンターで印刷する場合はかなりコストがセーブできます。
・作品の額装料金(加工料金含む)
額装は作品の印象を大きく左右するのでお金をかけたいところです
が、単価を抑えると大きく費用を削減できます。フレームを貸し出
してくれるギャラリーもあります。
写真展を何回も行う方は、画材店で特売しているフレームをまとめ
買いする方法もあります。
マット加工は難しいので、画材店等の専門業者にお願いするのが無
難です。
・作品キャプション制作費用
写真展背景と作者略歴を説明したパネル、及びそれぞれの作品の下
に付ける説明です。ギャラリーによっては無料で制作してくれます
が、有償の場合はパソコンとプリンターで自分で制作する方法もあ
るでしょう。
・ギャラリーへの経費支払い分
貸し出し無償の場合でも、光熱費等の負担が必要な場合があります。
予め確認しましょう。
・写真展案内状の印刷代
ギャラリー側が作成費用を負担してくれる場合、出展者が費用負担
する場合、出展者が作成まで行う場合があります。通常、印刷部数
は2000−3000部必要です。
・写真展案内状の送付費用
知り合いの人達に案内状を送付するための費用です。オープニング
パーティの案内や挨拶文を同封する場合は、封筒に入れて送ること
になりますので、この分の費用も考えておきましょう。
・オープニング・パーティ
写真展開催初日等に写真展会場又は近くのレストラン等で行うパー
ティです。実際にやってみると大変楽しいものです。オープニング
パーティ不可のギャラリーもありますので、事前にギャラリー側に
相談しましょう。費用を参加者に負担していただく方法もあります。
・写真展期間中の諸経費
作品配送手数料、芳名帳、コメントノート、等など、結構色々とか
かります。余裕を見ておくとよいでしょう。
ということでした。
下記で前号について詳しくご覧いただけます。
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp40.html
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【第六の心得:作品発表の場を、自分で創る 7】
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●写真展審査の考慮点はありますか?
写真展審査では、一つのテーマで作品を数十点と補足資料を提出す
ることになります。このような資料を、「作品の狙いをプレゼンテ
ーションするための資料」ということで「プレゼン資料」と呼びま
す。
プレゼン資料とは、それ自体で自分の作品を雄弁に語る資料です。
写真展審査の際は、審査員の方はプレゼン資料によってのみ申込者
の作品を判断し、どのような写真展になるかを想像し、審査を通過
させるかどうかを決定します。
申込みの際に、あなたご自身がギャラリーの方に対して、いかに多
くの言葉で自分の作品について雄弁に語っても、それがプレゼン資
料に反映されていなければ全く意味がありません。
プレゼン資料の制作は、どのような狙いでこの作品を撮っているか、
再度自分で問い直してみる絶好の機会でもあります。
従って、プレゼン資料作成には十分に手間をかけましょう。
雑なプリントと簡単な作品説明だけのプレゼン資料では、審査する
側からすると、作品に対する真摯な態度も、審査員の方々に対する
誠意も感じられません。審査結果もそれに見合ったものになります。
さて、プレゼン資料は以下の構成になります。
●作品(ポートフォリオ)
簡単に言えば「作品集」です。
英語のportfolioには、「今までに制作したアート作品」という意
味があるようです。
海外で活躍しているフォトグラファーにとって、ポートフォリオの
出来はそのまま仕事に結びつくと言われています。実践的な米国の
アートスクールの写真科ではポートフォリオの作り方とプレゼンテ
ーションの方法を徹底的に教えるそうです。
一旦優れたポートフォリオを作れば、あなた自身が多くを言葉で語
らなくても、ポートフォリオがそのまま作品を語ってくれます。
写真展審査でも、ポートフォリオは何よりも重要です。同じ写真で
も、ポートフォリオの装丁等に配慮することで見違えるような作品
になります。
大きいカメラ専門店ではポートフォリオを制作するための様々な材
料を用意していますので、試してみることをお勧めします。いくつ
か例を挙げてみます。
・六切から大四切程度のプリントをポートフォリオバインダーに入
れる
プリントは写真展に展示する作品と同じレベルで仕上げる必要があ
ります。 ポートフォリオバインダーは、画材店や、写真機材専門
店(銀座の銀一等)等で売っています。 作品をイメージしやすい
ので、予算が許せばこのようなポートフォリオを制作したいところ
です。
サンプルはこちら
ポートフォリオ・バインダーの外観
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/portfolio2.jpg
ポートフォリオ・バインダーの内側
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/portfolio1.jpg
・プリントを透明なリーフに入れて、プレゼンテーションケースに
入れる
上記の派生型です。ポートフォリオケースは1-2万円程しますが、
この方法では若干安く仕上げられます。
・ポートフォリオマウントを使用する
スライド作品をそのまま使用する方法です。黒いスライドマウント
ボードと、黒いスライドマウントを組み合わせます。
単に現像ラボから返ってきたスライドマウントを提出する場合より
も、全体の見栄えはかなり向上します。また、新たにプリントを行
う必要がないので、比較的安価に作成する事ができます。
マウントボードは、専用収納ボックスに入れます。
原版をそのまま使用するので取り扱いには十分に注意する必要があ
ります。ガラス製のスライドマウントを使用すべきでしょう。
仮にポートフォリオ自体を紛失した場合は、原版が全て失われます
ので、リスクが高い方法です。35mmフィルムの場合はルーペを
使用しなければ作品がよく見えない点もデメリットです。
むしろポートフォリオ原版保管方法の一種と考えればよいでしょう。
サンプルはこちら
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/portfolio0.jpg
●作品の説明資料
写真展全体の狙いと各作品の説明を記述します。
ポートフォリオの各作品と対応する形で説明文も付けます。
それぞれの作品に通し番号を付ける方法もあります。例えば、各作
品の画像をワープロに貼り付けて説明資料を作ると分かりやすいで
しょう。
サンプルはこちら
1997年に写真展「風の景色」の審査を受けた際の資料です
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/pub-material0.jpg
●作者の説明
主に写真に関する経歴の他、連絡先等を記述します。
●補足資料
写真展に関連する資料があれば添付します。
例えば、過去に雑誌等に取り上げられた記事や、写真展に関連した
テーマを補足説明するものです。私の場合、1998年に行った写
真展では、テーマが海外で撮影した様々な景色であったため、審査
の時には撮影旅行の旅行記を補完資料として添付しました。
写真展企画の実際についての話が続いていますが、次回が第六の心
得の最終回です。
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【あなたの声を聞かせてください】
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あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。
mailto:news@takahisanagai.jp
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【『風の写真館コレクション』より】
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今回は、Tokyo Bay Areaシリーズから、「横浜博を1週間後に控え
た大観覧車 - 横浜MM21、1989 その2」です。
まだ工事中の横浜みなとみらい21地区で、先週お送りした写真の
1週間前に撮影したものです。先週の写真は大観覧車がまばゆい白
さにライトアップされていましたが、この時はまだライトアップさ
れていませんでした。全く同じアングルで撮影してみました。
先週の作品との対比をお楽しみ下さい。
http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-036.html
『風の写真館コレクション』への登録は下記でどうぞ。
http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html
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【あとがき】
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ここ数週間、時間を見つけては、本業のマーケティングに関する書
籍や解説を読んでいます。
今まで業務や研修で必要に応じて個別に学んできたのですが、改め
て全体を学び直してみると、色々な理論が体系的に整理できること
がよく分かりました。
特にインターネットに代表されるように世の中の流れが大きく変わ
ったことで、10年前のマーケティング理論が新しく台頭しつつあ
る理論との対比で位置づけが議論されていることが改めて認識でき
ました。
さて、一方の写真の世界です。
コンシューマの世界では、800万画素クラスのデジタル一眼レフ
カメラが昨年から出始めたことで、一般消費者が入手できるデジカ
メやカラープリンターで撮影した画質が、銀塩フィルムと同じレベ
ルに並んできました。大伸ばしのプリントコストも大きく下がって
きています。
今回、7年前に私のウェブサイトで書いた写真展開催に関する記事
を見直しましたが、技術面では特にプリント関連が大きく変わった
ところでした。一方で、心得の部分は全く変わっていません。
これからも、デジタルで変わる部分、変わらない部分を見据えてい
きたいと思います。
では、また。
永井孝尚
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発行人:永井孝尚 mailto:mail@takahisanagai.jp
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