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■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
http://www.takahisanagai.jp
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「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」とは、本
業を離れて一人のプロフェッショナルとして写真作品を撮り続け
る写真家のことで、私の造語です。
写真を本業にしていないからこそ、アート的プロフェッショナル
・フォトグラファーとして、一つのテーマを長いスタンスで追い
続ける人達です。
本メルマガは、「ライフワークは写真」と考える全ての方々に、
プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという生き方
を提案します。
全部で7つある心得を紹介しています。現在は第四の心得。
詳しくは下記を参照下さい。
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html
私も個展を中心に写真活動を続けています。
写真のサイトもYahoo!のCoolサイトに登録いただきました。
皆様と一緒に、プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファ
ーの生き方を考えていければ、と考えております。
よろしくお願いいたします。
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■■■今回のポイント■■■
今回は、第四の心得の総集編です。
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第029号:2004/11/21
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■■■目次■■■
【第四の心得のポイント】
【アンケート結果報告】
【あなたの声を聞かせてください】
【『風の写真館コレクション』より】
【あとがき】
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【第四の心得のポイント】
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●第四の心得とは、「自分の選んだテーマでは第一人者としてプロ
と同等の技術を持つ。但し、技術が全てでないことも知っている」
です。
●偶然に任せてよい写真を撮ろうとするのがアマチュア、
●必然性を高める努力を行いよい写真を撮るのがプロフェッショナ
ル・サンデー・フォトグラファーです。
●必然性を高めるために必要なのが技術です。
●ここで言う技術とは、露出や構図等のハード面だけではなく、
「自分の衝動を的確に表現するためのプロセス」であり、「心得」
のレベルまで遡って考えていくべきです。そのベースは、自分の衝
動・パッションです。
●「必要なのはパッションだけ。技術は不要」という極論も見受け
ます。しかしこのようなほとんどのケースは、一見ハード的な技術
がないように見える巨匠の表層的な真似をしているだけです。巨匠
が、「自分の衝動を的確に表現するためのプロセス」である「技術」
を、幾多の葛藤を通して確立し生み出したことを見落としています。
(森山大道氏のケースを思い出してください)
●さて、「自分の衝動を的確に表現するために確立したプロセス全
体が技術である」という説明、分かりにくいですね。具体的に見て
みましょう。
●例えば、ピント・構図・露出・シャッターチャンス等の、いわゆ
るハードウェア的技術が最高の写真があったとします。
●しかし、このような写真が深みのある写真か、というと、必ずし
もそうではありません。ハードウェア的技術は手段であって、目的
ではないのです。
●ハードウェア的技術も重要ですが、より重要なのは自分の衝動を
表現できるかどうか、なのです。
●必然的によい写真を撮るための技術とは、ハードウェア的技術を
必修科目として身に着けた上で、撮影の前の構想力・調査力・企画
力、撮影時の集中力、撮影後の反省力全体を包含した、いわゆる
「ソフトウェア的技術」です。
●つまり、ハードウェア的技術とソフトウェア的技術を包含したも
のが、「自分の衝動を的確に表現するために確立したプロセス」と
しての技術です。
●ソフトウェア的技術を身に付ける際には、PDCAという考え方
が参考になります。(Plan(企画)、Do(実施)、Check
(結果確認)、Action(対策)の頭文字を取った単語です)
●ビジネスの現場で活用されている考え方です。最初に状況を分析
した上で「企画」を立てて、企画に基づき「実施」、「結果を確認」
して分析、分析に基づき「対策」を立てます。
●さらに対策に基づいて再度「企画」「実施」となる訳で、企画
(P)→実施(D)→結果確認(C)→対策(A)、といった流れ
を一通り行い、そこで得た経験を元にまたPDCAを行い品質を高
めていきます。
●写真にあてはめて考えてみましょう。
●最初にPlan(企画)。自分は何を撮りたいのか、そのために
は何を行うべきなのか?を考えます。これには想像力が必要です。
●写真とは偶然性の芸術ですので、当初想像していた通りの被写体
に出会えるとは限りませんが、Planして撮影していった作品群
と、惰性で撮影する作品群とでは、時間が経過すると決定的な差が
つきます。
●次にDo(実施)。つまり実際の撮影です。
●数分、数秒、又は0.1秒という瞬間をモノにするためには、
「この決定的瞬間は二度とない」という覚悟と集中力が必要です。
●土門拳氏は、篠山紀信氏に、「篠山君、仏像はね。走っているん
だよ!」と言ったそうです。静かに古寺に鎮座している仏像の刹那
を、土門拳はもの凄い集中力で撮影していたのでしょう。
●さて、Check(結果確認)に、プロフェッショナル・サンデ
ー・フォトグラファーと普通のアマチュア写真家を分けるポイント
があります。
●まず最初に必要なことは、出来上がった写真で、自分の衝動を表
現できているのか、厳しい目で認識することですが、これは非常に
難しいのです。ともすると自分の写真に対する評価が一番甘いのが
自分だからです。
●プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーに対しては、
誰も作品に対して厳しいことを言ってくれません。従って、自分自
身が自分の作品に対して一番厳しい批評家でなければなりません。
●徹底的な「粗探し」が必要です。単なる「ハードウェア的技術」
の粗探しだけではなく、出来上がった写真がどれだけのメッセージ
を持っているのか、深く考えることです。言い換えれば自分の作品
の「写真の力」を計る作業です。
●仮に今この世を去るとして、自分の作品として写真を一枚だけ後
世に残す場合、この写真を選ぶのか、もし選べないとすれば何故選
べないのか、を徹底的に考えることです。
●最後に、Action(対策)。「結果確認」を行う時には、ど
のようにすれば「対策」が取れるのか、常に徹底的かつ具体的に考
える必要があります。(詳しい具体的対策の例は、バックナンバー
を参照下さい)
●このように、PDCAを一つずつ確実に行い、対策を次回の企画
に反映することで、PDCA→PDCA→PDCA→P....と繋げ、
ハードウェア的技術・ソフトウェア的技術を高め、作品を進化させ
ていきます。
●さて、ノウハウが分かっても、なかなか実行に移すのは難しいも
のです。現時点でまず始めるべきことは、写真に限らず他のアート
や仕事でも同様ですが、
・自分の目標となる写真家を見つけること
・その人に私淑すること
ではないでしょうか?
●最初は真似る事から入ってもよいのですが、単なる表現手法の真
似だけに留まらず、考え方・哲学までを深く理解していくことが必
要です。
●以下の禅宗の僧侶が語った言葉は「真似」から「学ぶ」ための心
得を教えてくれます。
・真似を一日で止めたら、一日の真似だ
・真似を二日で止めたら、二日の真似だ
・しかし、一生真似を続けたら、それは学ぶということだ
●仮に、森山大道氏の写真に衝撃を受け、単に粗粒子・ハイコント
ラスト・ブレ・ボケという表現手段を真似るだけで、それ以上の発
展がなければ、それこそ単なる「猿真似」です。写真という表現手
段に対するモヤモヤした葛藤に対峙する姿勢こそ、真似るべきでは
ないでしょうか?
●例えば、森山大道氏に私淑し、自身も表現手段に対する葛藤を抱
える写真家が模索を続けた結果、大判カメラで精緻な写真を撮ると
いう表現形態に辿り着くかもしません。 ここまで来ると最早「真
似」とは言えないレベルです。何故なら、森山大道氏の世界から離
れ、自分独自の世界を構築しているからです。
●従って、「真似る」と「学ぶ」を考える場合、「守・破・離」と
いう言葉の意味も、併せて考える必要があります。
・ひたすら師匠の技を真似て、自分に取り込む段階:「守」
・師匠の技に自分なりの味を加えられる段階: 「破」
・さらに進んで自分流の技に発展できる段階: 「離」
●最初は真似から学び、進化させていくことが必要なのではないで
しょうか?
●私自身、浅井慎平氏、三好和義氏、サラ・ムーンに私淑し、被写
体との間の独特な空気感は何なのかを考えてきました。私の現在の
写真も、この3人の影響が非常に大きいと思います。
●私自身、是非「守・破・離」の段階へと進化していきたいと思い
ます。
ということでした。
詳しくは、バックナンバーを参照ください。
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html
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【前号のアンケート結果報告】
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前号の「あとがき」で以下のように書きました。
≫今回で第四の心得が終わりました。
≫
≫残り、三つの心得が終わった後、どのようにするかをそろそろ考
≫え始める必要がありますね。
≫
≫そこで、当初の予定が終わった後どうするか、皆さんのご意見を
≫お聞かせ下さい。
≫
≫1.潔く、このままスパっとメルマガを終了すべきです
≫2.止めるなんて言わず、頑張って新テーマを見つけて続けなさい
≫3.そんなことは自分で考えなさい
≫
≫こちらで投票をお願いします。投票結果は後程ご報告します。
この結果ですが、次のようになりました。
1.潔く、このままスパっとメルマガを終了すべきです →0名
2.止めるなんて言わず、頑張って新テーマを見つけて続けなさい→4名
3.そんなことは自分で考えなさい →0名
頑張って続けなさい、という励ましをいただいた結果になりました。
ご協力をいただいた皆様、ありがとうございました。
さらに2名様からは次のコメントをいただきました。
■■ Nさんより ■■
写真を始めてまだ間もない初心者です。書店にてみかける写真関
連のものの多くは技術的なものが多く(自身の勉強不足もあると
思いますが)意識の部分でとらえられ考えさせられるものは数少
ないと思います。
たしかに精神論であれば無限に広がりつつも要点はひとつのこと
に集約されることに思います。いたずらに言葉をつなれることは
つたわるメッセージも薄くなってしまうかもしれませんが、私は
永井さんのその精神論というのか哲学というのかにこのメルマガ
で出会うことができ本当にうれしいと思い、もっといっぱい学ば
せていただきたいという風に思っています。勝手なお願いですが
まだまだ続いてほしいとおもいます。突然の長文にて申し訳あり
ませんがぜひ今後ともよろしくお願いします。
■■ Mさんより ■■
私は写真を趣味にして5年ほど経ちます。
主に風景を撮っていますが、自分の撮影した画像を見ても感動が
沸きません。貴方のメルマガを拝見して写真の奥深さを痛感いた
しました。大変有益なメルマガと思いますので是非続けて頂きた
いと思います。
Nさん、Mさん、
どうもありがとうございました。
当初、七つの心得で言いたいことを全て語りつくそうと考えていた
のですが、前回のセミナーでまだまだ写真は奥深いということを再
認識したところですし、続けられるかどうか考えてみたいと思いま
す。
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【あなたの声を聞かせてください】
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本メルマガは、読者の皆様と一緒に作っていきたいと思います。
是非あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。
mailto:news@takahisanagai.jp
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【『風の写真館コレクション』より】
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今回は、「風の景色」シリーズから「Byron Bay, Australia, 1996」
です。
Byron Bayはオーストラリア最東端の美しい街です。抜けるような
青い空の下、よい一日を過ごすことが出来ました。
こちらでご覧いただけます。
http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-024.html
『風の写真館コレクション』への登録は下記でどうぞ。
http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html
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【あとがき】
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実は数十日前にデジカメ一眼を入手し、作品撮影に使っています。
実際に使ってみて、銀塩フィルムとの性能の差に驚かされました。
一番の差は、夜景でした。
ここのところ、Tokyo Bay Areaの続編を撮りに、夜中から明け方に
かけて写真を撮っています。そこで、同じ夜景の被写体をデジカメ
一眼と銀塩フィルムで撮り比べてみました。
フィルムは通常、長時間露出の場合に実効感度が下がり、色のバラ
ンスが崩れるという相反則不規が発生します。撮った写真も緑色の
単色系で、かつ、暗めに仕上がっていました。
一方、デジカメは相反則不規がほとんど発生せず、露出時間も短く
てすみ、被写体のディテールまで滑らかなトーンで再現してくれま
す。実際、色もグリーンにカブったりせず、自然な感じで仕上がり
ました。
オートフォーカスに移行するのも遅かった私ですが、デジカメに移
行するのもだいぶ遅かったような....。
これからデジカメで色々と楽しめそうです。
では、また。
永井孝尚
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発行人:永井孝尚 mailto:mail@takahisanagai.jp
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