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■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
http://www.takahisanagai.jp
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「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」とは、本
業を離れて一人のプロフェッショナルとして写真作品を撮り続け
る写真家のことで、私の造語です。
写真を本業にしていないからこそ、アート的プロフェッショナル
・フォトグラファーとして、一つのテーマを長いスタンスで追い
続ける人達です。
本メルマガは、「ライフワークは写真」と考える全ての方々に、
プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという生き方
を提案します。
全部で7つある心得を紹介しています。現在は第四の心得。
詳しくは下記を参照下さい。
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html
私も個展を中心に写真活動を続けています。
写真のサイトもYahoo!のCoolサイトに登録いただきました。
皆様と一緒に、プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファ
ーの生き方を考えていければ、と考えております。
よろしくお願いいたします。
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■■■今回のポイント■■■
前回はセミナー特集から通常モードに戻ります。
前々回の続きで、第四の心得最終回です。
「真似る」と「学ぶ」について考えてみましょう。
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第028号:2004/11/06
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■■■目次■■■
【前号のポイント】
【第四の心得:技術は大切だが全てではない その7 新・写真技術論5】
【あなたの声を聞かせてください】
【私のお気に入り】
【『風の写真館コレクション』より】
【あとがき】
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【前々号のポイント】
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●PDCAの最後の段階、Action(対策)がテーマでした。
●「結果確認」を行う時には、どのようにすれば「対策」が取れる
のか、常に徹底的かつ具体的に考える必要があります。
●例えばハードウェア的技術の例で、写真全体でなんとなくシャー
プさが欠ける場合、「カメラぶれ」や「引伸ばしボケ」が原因かも
しれません。
●カメラぶれの場合
●実は引伸しボケではないか?
(具体的対策は省略。詳しくは前号を参照下さい)
●例えばソフトウェア的技術の例で、海外撮影旅行で撮った作品が
イマイチの出来、ということがあります。最初の計画が妥当だっ
たかどうかを検証し対策を考えるのも一つの方法です。
●旅行先の選定
(こちらも省略。詳しくは前号を参照下さい)
●このように、PDCAを一つずつ確実に行い、対策を次回の企画
に反映し、することで、PDCA→PDCA→PDCA→P....と
繋げ、ハードウェア的技術・ソフトウェア的技術を高め、作品を進
化させていきます。
●さて、ノウハウが分かっても、なかなか実行に移すのは難しいも
のです。現時点で何を始めればよいのでしょうか?
ということでした。
下記で前号について詳しくご覧いただけます。
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp25.html
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【第四の心得:技術は大切だが全てではない その7 新・写真技術論5】
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さて、現時点でまず始めることは何か、です。
これは写真に限らず、他のアートや仕事でも同様と思いますが、
・自分の目標となる写真家を見つけること
・目標となる人に私淑すること
ではないでしょうか?
最初は真似る事から入ってもよいと思います。
ただ、「真似る」と言っても、単なる表現手法の真似だけに留まら
ず、考え方・哲学までを深く理解していくことが必要です。
あるテレビ番組で、「真似る」と「学ぶ」ということについて、
高齢の禅宗の僧侶が語った言葉が心に残っています。
・真似を一日で止めたら、一日の真似だ
・真似を二日で止めたら、二日の真似だ
・しかし、一生真似を続けたら、それは学ぶということだ
この言葉は、「真似」から「学ぶ」ための心得を教えてくれます。
例えば第22号でご紹介した森山大道氏。
http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp22.html
森山大道氏の写真に衝撃を受け、単に粗粒子・ハイコントラスト・
ブレ・ボケという表現手段を真似るだけで、それ以上の発展がなけ
れば、それこそ単なる「猿真似」です。
写真という表現手段に対するモヤモヤした葛藤に対峙する姿勢こそ、
真似るべきではないでしょうか?
例えば、森山大道氏に私淑し、自身も表現手段に対する葛藤を抱え
る写真家がいたとします。そのような人でも、自分自身で模索を続
けた結果、表現形態として大判カメラで精緻にピントと露出を合わ
せて豊富なグラデーションで表現する、という表現形態に辿り着く
かもしません。
ここまで来ると最早「真似」とは言えないレベルでしょう。
何故なら、森山大道氏の場合は写真への葛藤と表現手段が表裏一体
だったのに対し、この人の場合は自分独自の世界を構築しているか
らです。
従って、「守・破・離」という言葉の意味も、併せて考える必要が
あります。
・ひたすら師匠の技を真似て、自分に取り込む段階が「守」
・師匠の技に自分なりの味を加えられる段階が「破」
・さらに進んで自分流の技に発展できる段階が「離」
つまり、最初は真似から学び、進化させていくことが必要なのでは
ないでしょうか?
さて、第四の心得の最後に、私が私淑し、大きな影響を受けた3人
の写真家をご紹介したいと思います。
一人目は、浅井慎平氏です。
大学生の時に、浅井慎平氏の”Winds−風の絵葉書”という分
厚い写真集を初めて見た時、その写真群が放つ透明な空気感に、
「このような写真があるのか!」という新鮮な驚きを感じました。
同時に「是非このような写真を撮ってみたい」という熱い思いも湧
き上がってきました。これが今の写真の原体験になっています。
私が社会人になって、海外の写真を撮り続けたのも、彼の影響が大
きかったと思います。同世代で影響を受けた人は多いのではないで
しょうか?
二人目は、三好和義氏です。
二十代中頃、三好和義氏がモルディブやセイシェルを撮影した
”Rakuen”という写真集を見た時、「写真って、このように
撮る方法もあるのか!」と、浅井慎平氏の写真とは全く別の衝撃を
受けました。
私が感じたのは、自分自身がその状況を楽しみながら撮影する、と
いう三好和義氏のスタイルでした。
まだモルディブが今ほどポピュラーでなかった1980年代後半、
彼の写真集を見て「楽園に行ってみたい」と思った私は、いても立
ってもいられず、写真を撮りにモルディブに行きました。
三人目は、サラ・ムーンという写真家です。
サラ・ムーンはモデル出身のファッションフォトグラファーです。
彼女が撮る写真は、非常に個性的で、独特なスタイルとムードを持
っています。
これについては、彼女はインタビューで以下のように語っています。
---(以下、引用)----
「私のやり方というのは今でも、場所を決めて気に入ったムードと
雰囲気をつくり、それから何が起きるか待つんです。シャッターを
切る正しい瞬間を教えてくれる偶然を願いながら、.....」
「私が認識し、見たいのはムードです。何となく物語りを伝える場
面の雰囲気です。」
「....でもわかったことは、私はけっして現実をそのまま撮らない
ということ。ルポルタージュがどうしてもできなかった理由の一つ
はそれです。私の仕事じゃない。私のやり方でも、私の目に映るも
のでもない、押しつけたり割り込んだりするのは耐えられないんで
す。カメラがどんなに残酷になれるかをみんなは忘れています。肉
眼よりももっと正体を暴くことがよくあるんです。....だからルポ
ルタージュは私のモラルに逆行するんです。ファッションは私にと
って非の打ち所のない世界です。....」
(「サラ・ムーン展−巴里のエレガンスな視線」PPS通信社
1989年 より引用)
---(以上、引用)----
彼女の写真から、私は写真を撮る際の雰囲気やムード作りを具体的
に考えるようになりました。
私が影響を受けた浅井慎平氏、三好和義氏、サラ・ムーンの3人に
共通するのは、被写体との間の独特な空気感です。
私の現在の写真も、私が私淑したこの3人の師匠による影響が非常
に大きいと思います。
私自身、是非「守・破・離」の段階へ進化していきたいと思います。
以上、第四の心得の最終回として、真似ることと学ぶことについて
述べさせていただきました。皆様のご参考になれば幸いです。
次は、第五の心得
「自分の作品に一番厳しい批評家は自分である。作品セレクション
が撮影以上に大切と知っている
に入ります。
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【あなたの声を聞かせてください】
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本メルマガは、読者の皆様と一緒に作っていきたいと思います。
是非あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。
http://www.formman.com/form.cgi?gOifBUg2nMuZ8wtt
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【私のお気に入り】
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私のお気に入りの写真集や書籍をご紹介します。
■■ 「RAKUEN」「楽園大百科」 三好和義 ■■
本編でご紹介した三好和義氏の写真集です。
「RAKUEN」は1985年の出版。
翌年、木村伊兵衛賞を最年少で獲得した三好和義氏を世に知らしめ
た写真集です。三好和義氏の楽園ワールドの原点です。
当時、日本ではなじみのなかったモルディブとセイシェルの楽園を
紹介した作品でもありました。
今、改めて見ると荒削りな面もありますが、当時は非常に斬新な写
真集でした。
巻末で三好和義氏自身がさりげなく語っているNOTEは、この写真集
全体を性格づけています。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093941025/wps-22
一方の「楽園大百科」は1997年の出版。「RAKUEN」から
12年。表現は細やかに洗練され、楽園ワールドはタヒチ、ネパー
ル、USバージン諸島、ハワイ、フィージー、バリ、等々、全世界に
広がっています。
合計240ページの大作。楽園ワールドの全貌に接したい方は、こ
ちらがお勧めです。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093941173/wps-22
三好和義氏の楽園ワールドも和の世界等に広がっています。
これからの展開も楽しみですね。
次回以降も、機会を見つけてお気に入りをご紹介していきます。
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【『風の写真館コレクション』より】
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今回は、「風の景色」シリーズから「黄金色に輝く海と舟 -
Farukolufushi, Maldives, 1987」です。
赤道直下のリゾートの朝。
まだ誰もいないビーチで、空も海面も黄金色一色に染まる朝焼けの中、舟がシルエットになっていました。
こちらでご覧いただけます。
http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-023.html
『風の写真館コレクション』への登録は下記でどうぞ。
http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html
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【あとがき】
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今回で第四の心得が終わりました。
残り、三つの心得が終わった後、どのようにするかをそろそろ考え
始める必要がありますね。
そこで、当初の予定が終わった後どうするか、皆さんのご意見をお
聞かせ下さい。
1.潔く、このままスパっとメルマガを終了すべきです
2.止めるなんて言わず、頑張って新テーマを見つけて続けなさい
3.そんなことは自分で考えなさい
こちらで投票をお願いします。投票結果は後程ご報告します。
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では、また。
永井孝尚
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