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■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
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 「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」とは、本
 業を離れて一人のプロフェッショナルとして写真作品を撮り続け
 る写真家のことで、私の造語です。

 写真を本業にしていないからこそ、アート的プロフェッショナル
 ・フォトグラファーとして、一つのテーマを長いスタンスで追い
 続ける人達です。

 本メルマガは、「ライフワークは写真」と考える全ての方々に、
 プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという生き方
 を提案します。

 全部で7つある心得を紹介しています。現在は第四の心得。
 詳しくは下記を参照下さい。

http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html

 私も個展を中心に写真活動を続けています。
 写真のサイトもYahoo!のCoolサイトに登録いただきました。

 皆様と一緒に、プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファ
 ーの生き方を考えていければ、と考えております。
 よろしくお願いいたします。

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■■■今回のポイント■■■

お知らせいたしましたように、セミナーを10月16日に開催いた
しました。

今回は、連載を一休みし、セミナーの様子をお伝えいたします。

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第027号:2004/10/24
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■■■目次■■■
【特集:セミナー報告】
【あなたの声を聞かせてください】
【『風の写真館コレクション』より】
【あとがき】

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【特集:セミナー報告】
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10月16日にセミナーを開催いたしました。

議論が白熱、当初の予定だった2時間を大幅に超過し、私自身大変
勉強になりました。

そこで今回は予定を変更し、セミナーの様子をご報告致します。

参加者は5名で、社会人経験が豊富な方々ばかりでした。プロの写
真家としてご活躍の方もいらっしゃいました。

最初にお互いに簡単に自己紹介を行った後、私から本メルマガの創
刊号から第6号までの内容を簡単にご紹介し、その後はディスカッ
ションに入りました。

非常に深い議論が行なわれました。
内容を文字で表すことは難しいのですが、敢えて文章にまとめると、
以下の通りです。

●1.職業的プロフェッショナルフォトグラファーについて

【当日の議論】
作品の良し悪しはプロとアマを区別するものではない。言い方を変
えると、プロの写真が上手でアマチュアが下手、ということはない。

では、プロの写真家は何が違うか?
それは写真を通じてお金を作る才能があるかどうかである。

自分がよいと思った作品が必ずしも売れるのではなく、意外と写真
自体の個性は弱いが広告等の制作者にとってイメージを付加しやす
い写真が何回も使われてお金を稼ぐことがある。

成功するプロの写真家はそのようなニーズを先取りできる人である。
つまりビジネスに対する感度が求められる。

一方で、プロになると自分の作品を撮れなくなるジレンマを抱える
ことも多い。

【私の感想】
 以上の議論から、好きな写真を通じてお金を稼ぐことに喜びを感
 じる人は、是非職業的プロフェッショナルフォトグラファーを目
 指すべきと思いました。

 一方、写真でお金を稼ぐことよりも、自分の作品として写真に取
 り組みたい人は、アマチュアの立場でプロフェッショナル・サン
 デー・フォトグラファーとして生きる道を考えてみるべきである、
 と再認識しました。


●2.プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという考
え方について

【当日の議論】
フリーの写真家は、大変な苦労をして写真を続けているが、強い思
いで撮った写真で収入が得られた場合、仮に安い報酬でも天に昇る
ほど嬉しいものである。

これに対し、本業で生計をしっかり確保した上で「プロフェッショ
ナル・サンデー・フォトグラファー」という生き方が出来る人は、
ある意味で恵まれているのではないか?

一方で、「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」と
いう考え方には、会社の中で組織人として生きてきて、「お前は人
生をどのように生きてきたのか?」と突き付けられるような感じを
受ける。 その意味では、組織人として生きてきた自分に新鮮な、
しかし厳しい気付きを与えてくれる。

【私の感想】
 「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」の対象と
 なる人々を明確に定義する必要性を感じました。

 私が考える「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」
 は、あくまでもアマチュア写真家でありながら、アート写真を志
 す人です。

 上記1.と関係しますが、好きな写真で生計を立てることを目標
 とする人は、職業的プロフェッショナル・フォトグラファーを目
 指すべきと思います。

 但し、写真で生計を立てつつ、写真を自分の作品として撮り続け
 ることは、単に写真で生計を立てることよりもさらに困難です。

 好きな写真をライフワークとして撮り続けたい、しかし一方で既
 に生計を立てる手段を持っており必ずしも写真で食っていこうと
 思っていない、という方にとって、プロフェッショナル・サンデ
 ー・フォトグラファーという生き方は、検討する価値が大いにあ
 ると思います。


●3.自分の写真は、自己満足なのか? 自己表現なのか?

【当日の議論】
これは違いが難しい。

自己満足の延長には、実は「他人に認められたい」という想いがあ
る。

また、他人の評価とは一切関係なく自己表現を極めようとする人も
いる一方で、自己表現は他人の評価を基準に考えていくことが多い。

つまり、実は両者とも第三者が介在するケースが多い。

第三者の絶対評価基準というものは存在しない以上、自己表現・自己
満足のそれぞれの尺度は相対的なものかもしれない。

同様に、自己満足と自己表現は対立概念ではなく、相対的なものなの
ではないだろうか?

【私の感想】
 自己満足と自己表現という単純な二元論ではまとめきれない難し
 さ・もどかしさを感じました。

 一方で、自己表現はあくまで自分の考えだけを絶対基準と考える
 考え方もあります。この場合は、自己満足か自己表現かという問
 題も、自分の中の絶対基準で判断していくことになります。

 この点は今後、時間をかけて考えていきたいと思います。


●4.何がプロフェッショナルに成長させるのか?

【当日の議論】
写真だけでなく仕事も含めて、何がプロフェッショナルに成長させ
るのか?

時間が人をプロフェッショナルに成長させる面がある一方で、短期
間にもの凄い集中力で課題に打ち込むことで、閾値(しきいち)を
超えて、もの凄く成長する、つまり一皮むけることもある。

アマチュアはこのような場面の経験値が決定的に不足している。

ビジネスの場でも、「何だか分からないけど負けてしまった」とい
うことを繰り返していては、永遠にアマチュアのままであり、プロ
フェッショナルにはなれない。

常に企画→実施→確認→対策(PDCA)を回し、これを次回の企
画に繋げ、反省を成長に繋げることが、プロフェッショナルに成長
させる。

これに加えて、プロフェッショナルにとっては、「自己否定力」も
必要なのではないか?

例えば、イチローは常に現状に満足していない。今の自分を見直し、
技を磨き、成長し続けている。成長するためには、傍から見て一見
よい結果を出している現状の自分を否定できる力が必要である。

商業写真の場合は、評価にあたって絶対的基準があり、写真を活か
す・切り捨てるという判断は第三者が比較的容易に行なえる。

しかし、アートの世界は、結局自分が全ての基準となる。この世界
では、思い入れを排除して作品を切り捨てるのは困難な作業になる。

ここでも上記3.で述べた自己満足と自己表現の間で悩むことにな
る。写真を他人に見せないで自分で否定していく、ということが、
自分の写真の力を高めていくのかもしれない。

【私の感想】
 写真だけに留まらず、ビジネスの世界、アートの世界全般をカバ
 ーするプロフェッショナルのあるべき姿を考えていく必要がある
 と思いました。

 ただ、これは一朝一夕に答えがでるものではなく、一生をかけて
 考えていく問題ではないかとも思いました。今後の自分の課題と
 したいと思います。


●セミナー全体を通して

今回、セミナーを開催した理由は、「プロフェッショナル・サンデ
ー・フォトグラファー」という考え方について、実際に議論を通し
て検証してみたかったためです。

本メルマガに対して、沢山の励ましのメールをいただいております
が、今まで、この考え方を他の人と直接お話したことがありません
でした。

そこで実際に言葉でお話しする機会を持ちたかったのです。

結果としては、自分にとって大変勉強になったとともに、自分の未
熟さを痛感したセミナーになりました。

しかしながら、参加された皆様との議論を通じ、プロフェッショナ
ル・サンデー・フォトグラファーという考え方そのものは、決して
間違っていないということを再確認できました。

また、参加された方々からも、非常に中身の濃い時間を過ごせて有
意義であったとのご感想をいただきました。

私は「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」という
考え方自体、一つの作品であると思っています。

作品は、第三者の評価に晒していくことで成長に繋がります。
今後の成長のためにも、是非セミナーを続けて行きたいと思います。

また、この活動を通じて、少しでも皆様のお役に立てば、と思って
おります。今後ともよろしくお願いいたします。

また、今回参加された皆様には、この場をお借りして深く感謝申し
上げます。このような議論が出来たのも、皆様の参加があればこそ、
でした。これからもどうぞよろしくお願いいたします。


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【あなたの声を聞かせてください】
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本メルマガは、読者の皆様と一緒に作っていきたいと思います。
是非あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。

http://www.formman.com/form.cgi?gOifBUg2nMuZ8wtt

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【『風の写真館コレクション』より】
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今回は、Tokyo Bay Areaシリーズから、「空に架かる飛行機雲とオ
レンジ色の空 - 横浜、1988」です。

真冬の朝、起きてみると、太陽が昇ろうとしている東の空に大きな
飛行機雲がかかっていました。出勤前の慌しい時間でしたが、この
瞬間を是非収めたいと思い、何枚も撮りました。

こちらでご覧いただけます。
http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-022.html

『風の写真館コレクション』への登録は下記でどうぞ。
http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html

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【あとがき】
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この土曜日、日帰りで山登りをしてきました。

山登りを始めたのは今年からです。
雄大な自然の中、山を登っていると、日常の色々なことから開放さ
れて、客観的に見られるような気がします。

ということで、実は同じ山に登るのは今年で3回目です。

もうすぐ冬が来ますので、年内はあと1回位は登りたいと思ってい
ます。

ところで、今回のセミナーに参加された津崎さんに、セミナーの様
子をご自身のメルマガで紹介していただきました。こちらでご覧い
ただけます。

http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200410222100000000138767000

では、また。
                          永井孝尚

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発行人:永井孝尚 mailto:mail@takahisanagai.jp

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 を掲載しています。よろしければお立ち寄りください。

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Copyright(C), 2004 永井孝尚


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