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■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
                     <http://www.takahisanagai.jp>
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≫≫本メルマガについて≪≪≪

 「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」とは、本
 業を離れて一人のプロフェッショナルとして写真作品を撮り続け
 る写真家のことで、私の造語です。

 写真を本業にしていないからこそ、アート的プロフェッショナル
 ・フォトグラファーとして、一つのテーマを長いスタンスで追い
 続ける人達です。

 本メルマガは、「ライフワークは写真」と考える全ての方々に、
 プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという生き方
 を提案します。

 全部で7つある心得を紹介しています。現在は第四の心得。
 詳しくは下記を参照下さい。

<http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html>

 私も個展を中心に写真活動を続けています。
 写真のサイトもYahoo!のCoolサイトに登録いただきました。

 皆様と一緒に、プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファ
 ーの生き方を考えていければ、と考えております。
 よろしくお願いいたします。

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■■■今回のポイント■■■

写真のソフトウェア的技術の核は、PDCAの考え方です。
今回は、3つ目のCheck(結果確認)です。

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第025号:2004/09/25
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■■■目次■■■
【セミナー開催のお知らせ】
【前号のポイント】
【第四の心得:技術は大切だが全てではない その5 新・写真技術論3】
【あなたの声を聞かせてください】
【『風の写真館コレクション』より】
【あとがき】

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【セミナー開催のお知らせ】
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■■■本メルマガの内容のセミナーを開催します■■■

既にお知らせの通り、セミナーを開催します。
既に数名様のお申込みをいただきました。
ありがとうございました。

私自身、写真と関係のない本業を行いながら、個展を開催したり、
写真をネットで発表する等、写真家として様々な活動を行ってきま
した。

ここで得られた経験を、「ライフワークは写真」と考えている方々
のご参考にしていただければ、と思います。

また、本メルマガ読者の方々からも、この考え方は写真だけでなく
音楽・絵画等のアート全般に通じるのでは、とのご意見も頂戴して
います。

今回のセミナーでは、本メルマガで提唱している「プロフェッショ
ナル・サンデー・フォトグラファー」という生き方・考え方につい
て、メルマガで紹介した内容をさらに詳しく掘り下げていきます。

また、できれば参加の皆様との交流の時間も設けたいと思います。

ご興味のある方は、是非ご参加ください。

 セミナータイトル:
 「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという生き
  方と、その心得 第一回」

 内容:
  - プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーとは?
  - プロフェッショナルの意味
  - 7つの心得について
  - 第一の心得:写真はライフワーク
 (内容は変更の可能性があります)

 日時:2004年10月16日(土)14:00−16:00
 場所:東京・有楽町、徒歩3分
  (申込みいただいた方には、会場の地図をお送りします)
 費用:トライアルのため無料
 定員:20名(先着順、定員になり次第、締め切ります)
 申込締切:2004年10月9日(土)24:00
 申込方法:下記サイトにてお申込ください

<http://www.formman.com/form.cgi?P99EhR38MFUyl9cp>

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【前号のポイント】
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●ソフトウェア的技術を身に付ける際には、PDCAという考え方
が参考になります。

●PDCAとは、Plan(企画)、Do(実施)、Check
(結果確認)、Action(対策)の頭文字を取った単語です。

●これはビジネスの現場で活用されている考え方です。最初に状況
を分析した上で「企画」を立てて、企画に基づき「実施」、「結果
を確認」して分析、分析に基づき「対策」を立てます。

●さらに対策に基づいて再度「企画」「実施」となる訳で、企画
(P)→実施(D)→結果確認(C)→対策(A)、といった流れ
を一通り行い、そこで得た経験を元にまたPDCAを行い、仕事の
品質を高めていきます。

●これを、「PDCAを回す」という言い方をすることもあります。

●写真にあてはめて考えてみましょう。

●最初にPlan(企画)。自分は何を撮りたいのか、そのために
は何を行うべきなのか?を考えます。

・自分の衝動は何か?
・それがどのようなテーマに繋がるのか?
・そのためには全体の構成をどのように考えるのか?
・その中で、今日撮影する作品の位置付けはどうなるのか?
・その作品は、どうあるべきなのか?
・その作品を生み出すために、どの被写体をいつどこで見つけて、
 どのように撮影するのか?

●想像力が必要です。写真とは偶然性の芸術ですので、当初想像し
ていた通りの被写体に出会えるとは限りません。むしろ、出会えな
いことの方が多いはずです。

●しかし、Planして撮影していった作品群と、惰性で撮影する
作品群とでは、時間が経過すると決定的な差がつきます。

●次のDo(実施)。企画した内容の実施、つまり実際の撮影です。

●数分、数秒、又は0.1秒という瞬間をモノにするためには、
「この決定的瞬間は二度とない」という覚悟と集中力が必要です。

●「徹底したリアリズム写真」を提唱し報道写真の鬼として世界的
に知られた写真家・土門拳さんは、「古寺巡礼」という作品を撮る
ために、全国の仏像を撮影して回っていました。仏像の表情を表現
するために、ストロボ等の補助光は使用せずに、自然光のみで撮影
を続けていました。

●そのように撮影をしていくと、「ふっ」と仏像が微笑む瞬間があ
るそうです。(この感じがお分かりになる方もおられるのではない
でしょうか?)

●そのような瞬間を、土門拳さんは、篠山紀信さんに、
「篠山君、仏像はね。走っているんだよ!」
という言葉で伝えたそうです。

●静かに古寺で鎮座している仏像の刹那を、土門拳はもの凄い集中
力で撮影していたのでしょう。

ということでした。

下記で前号について詳しくご覧いただけます。
<http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp24.html>

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【第四の心得:技術は大切だが全てではない その5 新・写真技術論3】
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PDの次のCheck(結果確認)です。

実はここに、プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーと
普通のアマチュア写真家を分けるポイントがあります。

●Check(結果確認)

「写真を撮っているだけで楽しい」、しかし撮影後は作品を周りの
人達に見せる程度で、それ以上のことを行わない方がいます。

それだけでは作品はなかなか進化しません。

プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーと普通のアマチ
ュア写真家の違いは、撮影後の時間と労力のかけ方にあります。

例えば、私の場合、一つの作品にかける時間は、企画・撮影段階の
数倍のワークロードをかけて、結果確認を行っています。

「結果確認」と言っても、出来上がった写真が思ったように撮影で
きているかどうかを確認するだけではないのです。

この「結果確認」は、言い換えれば「反省力」が試されるプロセス
です。

反省力については、以前もご紹介した田坂広志先生が「知的プロフ
ェッショナルへの戦略」という著書で述べておられますので、ここ
にご紹介させていただきます。(下記は一部を抜粋しております)

----(引用開始)----

 ....、「反省力」とは「経験」から知識や智恵を学ぶ「メタ・ナ
 レッジ」です。

 (中略)

 「反省力」とは、自分自身の仕事の経験の中から高度な知識や深
 い智恵を掴み取るスキルやノウハウです。

 (中略)

 ....、現在のビジネスマン社会には、この「反省の方法」を正し
 く身につけていないため、せっかく仕事において貴重な「経験」
 をしても、それを「体験」にまで高めていない人が多いのです。

 そして、そのことが、実は、知的プロフェッショナルになってい
 く人と、そうでない人との「分かれ道」になっているのです。

 (中略)

 これに対して、知的プロフェッショナルになっていく人は、失敗
 した後の「反省」が、極めて具体的です。
 すなわち、仕事で失敗したとき、「なぜ失敗したか」をとことん
 具体的に考えるのです。

 例えば、担当するプロジェクトが
大きな赤字を出して失敗したとき、
なぜ予算管理が甘かったのか、
なぜ契約時に条件を確認しなかったのか、
プロジェクト企画の何が問題だったのかなど、
失敗した原因について徹底的に分析し、
今後への教訓を引き出そうとするのです。

こうした「反省の方法」を身につけているビジネスマンは、たと
 え仕事で失敗しても、その貴重な経験の中から実に多くのことを
 学び、その結果、仕事についての高度な知識や深い智恵を身につ
 けていくのです。

 すなわち、こうしたビジネスマンは、失敗だけでなく成功も含め、
 仕事における様々な「経験」をしたとき、それを徹底的に「反省」
 することによって多くの知識や智恵を学び、そのことを通じて、
 「経験」を「体験」にまで高めていくことができるのです。

----(引用終わり)----

このことは、知的プロフェッショナルであるプロフェッショナル・
サンデー・フォトグラファーにも同様にあてはまります。

まず最初に必要なことは、出来上がった写真で、自分の衝動を表現
できているのか、厳しい目で認識することです。

これが非常に難しい点です。

ともすると自分の写真に対する評価が一番甘いのが自分だからです。

撮影したときの作品や被写体への思い入れが残る時にはなおさら、
客観的に自分の作品を見ることが非常に困難になります。

自分のエゴと迷いがセレクション作業を邪魔します。

プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーに対しては、誰
も作品に対して厳しいことを言ってくれません。

従って、自分自身が自分の作品に対して一番厳しい批評家でなけれ
ばなりません。

言い換えれば、クライアントが存在しないプロフェッショナル・サ
ンデー・フォトグラファーの場合、自分自身がクライアントになる、
ということです。

この辺りは、第五の心得「自分の作品に一番厳しい批評家は自分で
ある。作品セレクションが撮影以上に大切と知っている」で詳しく
ご紹介する予定です。

この「結果確認」で必要なことは、徹底的に「粗探し」を行い、改
善すべきポイントを見つけることです。

但し、シャッターッチャンスや露出・ピント等の「ハードウェア的
技術」の粗探しでは不十分です。

出来上がった写真がどれだけのメッセージを持っているのかを考え
ることです。言い換えれば「写真の力」を計る作業です。

ここで、私がいつも基準としている一つの目安をご紹介します。

仮に私が今この世を去るとして、私の作品として写真を一枚だけ後
世に残す場合、この写真を選ぶのか、もし選べないとすれば何故選
べないのかを徹底的に考えることです。

このような態度で自分の作品の臨むと、単にシャッターチャンスや
露出・ピント以上のことが見えてくるのではないでしょうか?

このように言っておりますが、ここに書いていることは私の自戒で
もあります。私自身まだまだ出来ておりません。

では、Check(結果確認)の後のプロセスであるAction
(対策)はどのように行えばよいのでしょうか?

詳しくは次号でご紹介します。

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【あなたの声を聞かせてください】
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本メルマガは、読者の皆様と一緒に作っていきたいと思います。
是非あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。

<http://www.formman.com/form.cgi?gOifBUg2nMuZ8wtt>

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【『風の写真館コレクション』より】
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今回は、Tokyo Bay Areaシリーズから、「イルミネーションで光る
Z - 横浜新山下、1988 」です。

ある夏の夜、新山下でYokohama Bay Side Clubのイルミネーション
を受けて輝くZを見つけました。 闇の中にZの美しいボディライ
ンが浮き上がり、ファインダー上で幻想的な絵になっていました。

こちらでご覧いただけます。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-020.html>

『風の写真館コレクション』への登録は下記でどうぞ。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html>

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【あとがき】
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先週末、「華氏911」を見に行きました。

内容については様々なメディアで伝えられているので詳しい話は控
えますが、一時期、米国民のほとんどがイラク戦争に賛成していた
時期にあのような映画を作り、いまや全米で上映してしまうという
ことに、米国の多様性を許す懐の深さを感じます。

その一方で、大統領選挙ではブッシュ優勢も伝えられます。
これも多様性の一つでしょうか?
それとも、米国が全体主義へ傾きつつある傾向でしょうか?

では、また。
                          永井孝尚

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発行人:永井孝尚 <mailto:mail@takahisanagai.jp>

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Copyright(C), 2004 永井孝尚


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