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■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
<http://www.takahisanagai.jp>
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「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」とは、本
業を離れて一人のプロフェッショナルとして写真作品を撮り続け
る写真家のことで、私の造語です。
写真を本業にしていないからこそ、アート的プロフェッショナル
・フォトグラファーとして、一つのテーマを長いスタンスで追い
続ける人達です。
本メルマガは、「ライフワークは写真」と考える全ての方々に、
プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという生き方
を提案します。
全部で7つある心得を紹介しています。現在は第三の心得。
詳しくは下記を参照下さい。
<http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html>
私も個展を中心に写真活動を続けています。
写真のサイトもYahoo!のCoolサイトに登録いただきました。
皆様と一緒に、プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファ
ーの生き方を考えていければ、と考えております。
よろしくお願いいたします。
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■■■今回のポイント■■■
今回は第三の心得のまとめと、読者の方からいただいたご質問への
回答をご紹介します。
(前回お知らせした予定を変更させていただきました)
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第020号:2004/07/17
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■■■目次■■■
【掲示板開設のお知らせ】
【読者の方からのご質問】
【第三の心得のポイント】
【あなたの声を聞かせてください】
【『風の写真館コレクション』より】
【あとがき】
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【掲示板開設のお知らせ】
本メルマガ専用の掲示板を作ってみました。
書き込み・質問・冷やかし大歓迎ですので、是非お気軽にご参加く
ださい。メルマガに書けなかったお話も紹介していきます。
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【読者の方からのご質問】
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■■ ご質問 ■■
「現在、普及機種を10年間使っていますが、シャッターにガタが
きてしまいました。どうもシャッターユニットがおかしいようです。
そこで、買い替えを検討しています。最初はアップグレードして中
位機種にしようと思っていたのですが、店頭で試しに上位機種も触
ってみたところ、ファインダーの見え方の違いに驚きました。
中位機種のファインダーでも結構窮屈なのですね。
永井さんはこのあたりどのようにお考えでしょうか?」
(Sさんより)
■■ お答え ■■
カメラの調子が思わしくないようで、ご愁傷様です。
普及機種、中位機種、上位機種の違いがどこか、ということですが、
....。
シャッターを押せば同じ写真が撮れるし、同じレンズが付きますの
で、出来上がりを見た限りは違いがないように思えますよネ。
しかも普及機種の方が軽くて撮影には楽です。
実は微妙なところへのお金のかけ方が違います。
(でも、同時に人によっては大事なところでもあります)
ご指摘のファインダーの見え方もその一つで、ファインダー周りの
光学系へのお金のかけかたが普及機種と上位機種では全く違います。
これは、撮影時に被写体をちゃんとファインダー上で捉えて作画が
出来るかどうかに大きく関わってきます。
他にも結構違う部分があります。
●故障率の低さ=丈夫さ
上位機種は、仕事で毎日のようにカメラを使うプロの酷使にも耐え
るように、設計時に数十万回シャッターを切っても動くことが確認
されています。このために高価な耐久性のある部品を選んで設計し
ています。
しかし、普及機種は、一年のフィルム消費量が数十本程度の初心者
の方々を前提に作られています。従って、必要以上に耐久性にお金
をかけるとカメラも必要以上に高価になってしまいます。
この場合は、むしろ部品を簡素化することで小型軽量化し廉価に提
供することが必要です。耐久性が落ちますが、それでも通常の使用
には差し障りはありません。
撮影量がどの程度なのか、撮影時にカメラが故障した場合のインパ
クトはどの程度なのか、によって、機材を選ぶとよいかと思います。
●シャッターのレリーズタイムラグ
シャッターを押してから実際にフィルムが感光するまでの時間差で
す。感覚的に言うと、普及機種は一呼吸、中位機種は半呼吸の間が
あるように感じます。
上位機種でも「リアルタイム」と言えるまでにはなっておらず、
0.05秒程度の遅れがあるのですが、それなりにキビキビ動きま
す。
0.05秒というとずいぶん短いように思えますが、考えてみると
時速100Kmで走る車が1m以上移動する時間に相当しますので、
撮影状況によってはこれでも不十分です。
参考までに、コンパクト・デジカメの場合、タイムラグは0.3−
0.4秒程度です。これだけタイムラグがあると、人を撮影する際
に一瞬のいい表情がなかなか捉えられません。
「いい表情だな」と思ってシャッターを押しても、写った写真は別
の表情になっている、ということが多いんですよね。
かくして、私のコンパクトデジカメは、人の撮影は記念撮影限定と
なっています。
●材質感の違い
普及機種は材質に十分にお金をかけていませんが、上位機種は耐久
性を持たせるために材質にも気を遣っています。
実はプラスティックスボディでも実質的な耐久性はそれなりに高い
のですが、上位機種のダイキャストボディを触ってみると、質感の
違いに驚かされることもあります。
これは撮影時に、潜在意識下の「やる気」に大きく影響し、アドレ
ナリン分泌量が変わってくるように思います。
そんなところでしょうか?
ところで、カメラが故障した場合、サービスステーションに電話し
て見積もりを事前に聞いてみるとよいと思います。結構部品交換料
金よりも作業料金の方が高かったりします。最近、メーカーはこう
いうところでも利益を出さざるを得なくなっているようです。
以上、ご参考になれば幸いです。
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【第三の心得のポイント】
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第16号から第19号までご紹介した第三の心得のまとめです。
●第三の心得は、
「最高の作品を作る道具として撮影機材には拘る。しかし機材には
溺れない」
です。
●表現するための道具、という観点で写真とカメラの関係を改めて
考えると、他の表現形態と写真・カメラは異なる点が見えてきます。
●例えば、写真を撮らない、「持つ喜び」を感じるためのカメラが
あります。ちょうど車に凝ったり、あるいは女性がバッグにハマる
のと同じように、カメラには愛玩物の面もあるのかもしれません。
●もう一つは、機材偏向・技術至上主義です。作品自体の中身では
なく、機材や撮影方法、現像方法等に拘るケースです。
●写真は、その歴史がまだ200年に満たない、非常に新しい発展
途上の表現形態です。20世紀前半、フランスで写真表現に革命を
起こしたマン・レイは、「何を撮るべきか」ではなく「いかに撮る
べきか」を考えている写真家が多いと延べ、「写真は最初のうちは
技術に過ぎないが、やがては本物の芸術になっていく」と洞察しま
した。
●このマン・レイの主張が、実は第三の心得のテーマです。自分の
衝動を表現するためには、何よりも大切なのは、第一・第二の心得
で述べた通り、「何を撮るべきなのか」なのです。
●重要なのは、
手段(=「いかに撮るべきか」) と
目的(=「何を撮るべきか」)
を混同しないことです。機材は目的(「これを表現したい」という
衝動)を達成するための手段であり、機材という手段そのものが目
的なのではありません。
●ここで、一つ簡単なテスト。あなたは次のうちどちらでしょう?
●「フォトグラファー」
カメラを自己表現を達成するための手段・道具・消耗品と考えてい
ます。
●「カメラマニア」
カメラを使って撮影するプロセス自体を楽しんでいます。
カメラを持ち歩いて写真を撮ること自体に幸せを感じます。
●しかしながら、機材に拘ることは必ずしも悪いことではありませ
ん。むしろ、「何を撮りたいのか?」が明確で、写真として残すた
めに必要であれば、徹底的に機材に拘るべきです。
●写真に限らず、プロフェッショナルは皆道具に徹底的に拘ってい
ます。最高の作品を残すために道具に拘るのは当然のことでしょう。
●「弘法は筆を選ばず」という言葉がありますが、この真の意味は、
「一流の人間は道具に拘らない」ではなく、「一流の人間は、一流
の道具でなくても、一流の仕事が出来る能力を持っている」という
ことです。
●実際には、弘法大師は書体によって筆を使い分けたと言われます
し、一流と言われる人は、皆道具に徹底して拘っています。結果に
責任を持つプロフェッショナルであれば、必然のことでしょう。
●我々は、自分が持っている衝動を出来る限り最高の状態で、写真
として表現するためには、どのような機材を使用すればよいかを真
剣に考えるべきではないでしょうか?
●機材偏向・技術至上主義の落とし穴は、この衝動を持たないまま
に機材に拘ってしまっている、又は、当初持っていた衝動がいつの
間にか機材・技術の追求に置き換わってしまっている、ということ
ではないかと思います。
●私自身も試行錯誤を繰り返して現在の機材に至っています。
(私の機材の詳細については、第19号を参照下さい)
<http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp19.html>
今後、この機材も、機材の発達と表現意図の変化に従って、変わっ
てくることと思います。
ということでした。
詳しくは、バックナンバーを参照ください。
<http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html>
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【あなたの声を聞かせてください】
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本メルマガは、読者の皆様と一緒に作っていきたいと思います。
是非あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。
<http://www.formman.com/form.cgi?gOifBUg2nMuZ8wtt>
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【『風の写真館コレクション』より】
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今回は、「風の景色」シリーズから「水平線の夕空 - Farukolufushi,
Maldives, 1990」です。
青空と、大きな雲と、水平線の夕空は、改めて空の大きさを教えて
くれます。
年末の休みをモルディブで過ごした時に撮影した、想い出の一枚です。
こちらでご覧いただけます。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-015.html>
『風の写真館コレクション』への登録は下記でどうぞ。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html>
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【あとがき】
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今回、機材に関するよいご質問をいただきましたので、第三の心得の
まとめと併せてご紹介させていただきました。
次回は、前回予告しました通り、第四の心得
「自分の選んだテーマでは第一人者としてプロと同等の技術を持つ。
但し、技術が全てでないことも知っている」
に入ります。
では、また。
永井孝尚
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発行人:永井孝尚 <mailto:mail@takahisanagai.jp>
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