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■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
                     <http://www.takahisanagai.jp>
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≫≫本メルマガについて≪≪≪

 「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」とは、本
 業を離れて一人のプロフェッショナルとして写真作品を撮り続け
 る写真家のこと。私の造語です。

 写真を本業にしていないからこそ、アート的プロフェッショナル
 ・フォトグラファーとして、一つのテーマを長いスタンスで追い
 続ける人達です。

 本メルマガは、「ライフワークは写真」と考える全ての方々に、
 プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーという生き方
 を提案します。

 全部で7つある心得を順番に紹介しています。現在は第三の心得。
 詳しくは下記を参照下さい。

<http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html>

 私も個展を中心に写真活動を続けています。
 写真のサイトもYahoo!のCoolサイトに登録いただきました。

 皆様と一緒に、プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファ
 ーの生き方を考えていければ、と考えております。
 よろしくお願いいたします。

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■■■今回のポイント■■■
プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーは道具に拘るこ
とも必要です。

但し、「何故拘るのか」という目的を見失わないことが大事ですね。

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第018号:2004/06/19
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■■■目次■■■
【前号のポイント】
【第三の心得:プロフェッショナルにとっての道具】
【ご感想のメールへのご感想をいただきました】
【あなたの声を聞かせてください】
【掲示板開設のお知らせ】
【『風の写真館コレクション』より】
【あとがき】

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【前号のポイント】

●何故、「何を撮るべきか」ではなく「いかに撮るべきか」を考え
る写真家が多いのでしょうか?

●表現手段という観点で見ると、絵画と写真では、異なる点があり
ます。絵画は筆と紙という簡単な道具があれば絵を描くことができ
るのに対して、写真は、表現手段として自分の表現意図を忠実に再
現してくれる複雑な写真機材が必須である点です。

●写真は表現上の工夫の制約が多い表現形態です。近年の技術の発
達で誰でも撮れるようになりましたが、実際には撮影者の心が的確
に現れ、奥が深い表現形態です。

●従って、自分の表現意図を忠実に再現するために機材や技術に拘
るのは、仕方がない面もあります。

●ただ、ここで重要なのは、
 手段(=「いかに撮るべきか」) と
 目的(=「何を撮るべきか」)
を混同しないことです。機材は目的(「これを表現したい」という
衝動)を達成するための手段であり、機材という手段そのものが目
的なのではありません。

●ここで、一つ簡単なテスト。あなたは次のうちどちらでしょう?

●「フォトグラファー」
カメラを自己表現を達成するための手段・道具・消耗品と考えてい
ます。

●「カメラマニア」
カメラを使って撮影するプロセス自体を楽しんでいます。必ずしも
自分の撮りたい写真のイメージは持っている訳ではありませんが、
カメラを持ち歩いて写真を撮ること自体に幸せを感じます。

●さて、「機材に拘る」という影の部分をお話してきましたが、機
材に拘ることは必ずしも悪いことではありません。

●むしろ、自分が「何を撮りたいのか?」が明確になっていて、そ
れが写真として残すために必要なのであれば、徹底的に機材に拘る
べきです。それが、第三の心得である、

 「最高の作品を作る道具として撮影機材には拘る。しかし機材に
 は溺れない」

です。

●さて、カメラマニアとしてではなく、フォトグラファーとして機
材に拘るには、どのように考えていけばよいのでしょうか?

ということでした。

下記で前号について詳しくご覧いただけます。
<http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp17.html>


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【第三の心得:プロフェッショナルにとっての道具】

写真に限らず、プロフェッショナルは皆道具に徹底的に拘っていま
す。最高の作品を残すからには、そのための道具に拘るのは当然の
ことでしょう。

●ところで、「弘法は筆を選ばず」という言葉があります。

「『弘法は筆を選ばず』、といわれるように、弘法大師は道具を選
ばなかった。従って、プロフェッショナルが道具に拘るのは当然、
というのは必ずしも正しくないのではないか?」

という声もあるかもしれません。

実は、この言葉の真の意味は、弘法大師のような達人であれば、筆
の良し悪しは関係なく、どんな筆でも傑作が書ける、ということの
ようです。

つまり、「一流の人間は道具に拘らない」という意味ではなく、
「一流の人間は、一流の道具でなくても、一流の仕事が出来る能力
を持っている」ということです。

実際には、弘法大師は書体によって筆を使い分けたと言われます。

事実、一流と言われる人は、皆道具に徹底して拘っています。

例えば、松井秀喜選手は自分のその年のバッティングスタイルに応
じて毎年バットを作り変えています。

恐らく松井選手程の打者であれば、どのようなバットでも結果は残
せるかもしれません。しかし、その結果をよりよいものにし、最高
の結果を残すためには、単なる道具と言えども手を抜くことは許さ
れません。

結果に責任を持つプロフェッショナルであれば、必然のことかもし
れません。


●写真とは違う世界でもう一つ例を挙げます。ピアノの世界です。

多くのクラシック・ピアニストは、よい音が出る「スタインウェイ」
という会社が作ったピアノを好みます。

しかしながら、ピアノの巨匠・リヒテルは、当時世界的には無名だ
った日本のヤマハを好みました。プロジェクトXでも紹介されたの
で、ご存知の方も多いかもしれません。

リヒテルは、ヤマハの弱音の美しさ、音楽的感度の高さが、彼の音
楽に合っていることを評価したと言われます。

また、素晴らしい調律師(技術者)達がいることも理由でした。リ
ヒテルは、ヤマハの調律師達に、調律だけでなく、照明、椅子の高
さ、ピアノの位置まで任せたそうです。

気難しいことでも有名だったリヒテルは、自分が最高の演奏をする
ための手段としてヤマハを選びました。


●これらのことから何が学べるでしょうか?

  我々は、自分が持っている衝動を出来る限り最高の状態で、
  写真として表現するためには、どのような機材を使用すれば
  よいかを真剣に考えるべきである

ということではないでしょうか?
その結果、使用する道具は自ずから決まってきます。

機材偏向・技術至上主義の落とし穴は、この衝動を持たないままに
機材に拘ってしまっている、又は、当初持っていた衝動がいつの間
にか機材・技術の追求に置き換わってしまっている、ということで
はないかと思います。


では、あるべき姿を書いている私は、どのような考えで機材を選ん
でいるのでしょうか?

今まで所々書いてきたように、私自身も試行錯誤を続けているので
すが....。

詳しくは第三の心得の最終回となる次号でご紹介したいと思います。

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【ご感想のメールをいただきました】

読者の方からメールをいただきましたので、ご紹介します。

≫こんにちは。
≫【プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!】017
≫号にて、ある読者のご意見より
≫★写真展の場で、『機材やフィルムの事を聞かれて辟易しておら
≫れる』との事ですが
≫・・・聞いた方は『貴方の写真技術が素晴らしいので、どのよう
≫な機材・フィルムを使ったかに関心があり、貴方のようにもっと
≫写真が上手くなりたい』との意図で貴方に聞いたかもしれません。
≫『貴方の作品への感想』が中々聞けなくて辟易される気持ちも分
≫かりますが、質問した方は『貴方に興味を持ってくれる大切なお
≫客様・ファン』なのですから大切にしましょうよ。何も関心をも
≫たれなければ『誰も素通り』・・これ程寂しいものはありません
≫よ。

≫★良いじゃないですか!どんな質問でも。爽やかに答えてあげま
≫しょうよ。その答えの中に『貴方のファン』と「あなたにとって
≫写真ってなんですか?」の問いかけややり取りをしていけば。写
≫真へ興味を持つ入り口は『カメラからの人も入るしその人の作風
≫からの人も入るし千差万別』であると思います。

≫★★貴方の、カメラがどうだのなんて話はカッコ悪くてできませ
≫ん・・・貴方の考えでしょうが、これは、写真を興味を持つ色々
≫な考えの人を遠ざけている・貴方のファンを減らしているような
≫ものであると思います。『貴方は自分と共感できない人とは話し
≫たくない』ような、寂しい感じも又受けたかな・私には。
≫申し訳ありませんが私は貴方の写真展・作品がどんなに素晴らし
≫くても、見に行く気にはなれません。会場の主役・写真家さんと
≫楽しく接したいし、色々な技術も教えてもらう機会を少しでも得
≫たいですから。たとえ、そのチャンスが限りなくゼロとしても。

≫★貴方がプロで、将来(今もかな)飯食って行くならば、このよ
≫うな考えでは貴方の食い扶持を与えてくれるファンが減ってしま
≫い、次第に食べていけなくなりますよ。写真家である以上、お客
≫やファンの事も考えて爽やかに接し(営業)しないと。いつ、ど
≫んな出会いや会話で思いがけないチャンスが訪れるか分かりませ
≫んからね。写真に対する考えを拡げてチャンスをつかむかそうで
≫ないか・・真剣に考えられた方が良いですよ。

≫私もたまに、写真展をしておりますが、どんな機材?フィルム?
≫と聞かれても、『この人は機材がきっかけで私の写真に興味を持
≫ってくれているんだな』と、ありがたく思い、質問への答えは惜
≫しげもなく答えています。そういう会話や出会いで思いがけない
≫人脈やチャンスをつかむんですよ。

≫それでは

≫(蛭田 朗巨さんより)


蛭田さん、
貴重なご意見、どうもありがとうございました。

私自身、作品を大切にしようとされる先週のtakumiuさんのご意見、
見に来ていただいているお客様を大切にしようとされる蛭田さんの
ご意見の両方ともに深く共感します。(補足ですが、takumiuさんも、
「お客様を大切にされている」とのこと)

お二人の写真に対する真摯な態度は素晴らしいと思いますし、読者
の方々にも参考になると思いましたので、お二人のご了解をいただ
いてここに紹介させていただきます。

写真展と通して活動をなさっておられるお二人がともおっしゃるよ
うに、出会いというのは、写真展の醍醐味の一つですね。

これからもよろしくお願いいたします。

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【あなたの声を聞かせてください】

本メルマガは、読者の皆様と一緒に作っていきたいと思います。
是非あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。

<http://www.formman.com/form.cgi?gOifBUg2nMuZ8wtt>


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【掲示板開設のお知らせ】

一部の方々から、「読者同士で意見交換できるサイトが欲しい」と
のご要望がありましたので、試験的に掲示板を作ってみました。

その名も、「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーの
集い」としました。

プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーとして、楽しく
紳士・淑女的な写真談義を楽しみましょう。

実はまだ私の開設の挨拶の書き込みしかありません。
書き込み大歓迎ですので、是非お気軽にご参加ください。

<http://takahisanagai.jp/cgi-def/admin/C-002/bb/visit/main.pl>


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【『風の写真館コレクション』より】

今回は、Tokyo Bay Areaシリーズから、"夕暮れのベイブリッジ -
本牧埠頭、1991"です。

夕暮れの中、ベイブリッジが見える埠頭で、休日を楽しんだ恋人達
が語り合っていました。

こちらでご覧いただけます。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-013.html>

『風の写真館コレクション』への登録は下記でどうぞ。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html>

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【あとがき】

懸案だった掲示板が仮オープン致しました。
今後も、本メルマガを少しづつ充実させていきたいと思いますので、
よろしくお願いいたします。

さて、第三の心得が来週で終わり、早くもこのメルマガは予定の真
中まで来ました。この調子だと来年4月辺りで一区切りとなりそう
です。

できれば、その時点で何らかの形で本にまとめたいと思っています。
....でも、買う人、いるんでしょうか? (^_^;)

では、また。

                          永井孝尚

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発行人:永井孝尚 <mailto:mail@takahisanagai.jp>

 『風の写真館』<http://www.takahisanagai.jp>で作品やコラム
 を掲載しています。よろしければお立ち寄りください。

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Copyright(C), 2004 永井孝尚


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