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■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
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 「プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファー」とは、
 プロを圧倒する写真作品を撮っているアマチュア写真家のこと。
 私の造語です。

 写真を本業にしていないからこそ、アート的プロフェッショナ
 ル・フォトグラファーとして、一つのテーマを長いスタンスで
 追い続ける人達です。

 本メルマガは、「ライフワークは写真」と考えている全ての方
 々に、プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーとい
 う生き方を提案いたします。

 私も個展を中心に写真活動を続けています。
 写真のサイトもYahoo!のCoolサイトに登録いただきました。

 皆様と一緒に、プロフェッショナル・サンデー・フォトグラフ
 ァーの生き方を考えていければ、と考えております。
 よろしくお願いいたします。

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■■■今回のポイント■■■
写真の世界では、機材に拘ったり溺れたりする人が多いように思い
ます。

もしかしたら、写真自体が若く未成熟な世界だからかもしれません。

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第016号:2004/05/22
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■■■目次■■■
【改めて、7つの心得について】
【第三の心得:作品を撮らないカメラと、機材偏向・技術至上主義】
【あなたの声を聞かせてください】
【先週・今週の『風の写真館コレクション』】
【お知らせ:隔週発行に致します】
【あとがき】

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【改めて、七つの心得について】

本メルマガでは、第4号から第6号で第一の心得を、第8号から第
14号で第二の心得を、それぞれご紹介してきました。

ここで改めてプロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーの
七つの心得を思い出してみましょう。詳しくは、バックナンバーを
参照ください。
<http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html>

【第一の心得】写真を趣味ではなく、ライフワーク、自己表現手段
 と捉え、「写真とは何か?」を考え続けている

【第二の心得】数十年という人生の中での長い時間スパンで、自分
 だけのテーマを追い続け、撮り続ける

【第三の心得】最高の作品を作る道具として撮影機材には拘る。し
 かし、機材には溺れない

【第四の心得】自分の選んだテーマでは第一人者としてプロと同等
 の技術を持つ。但し、技術が全てでないことも知っている

【第五の心得】自分の作品に一番厳しい批評家は自分である。作品
 セレクションが撮影以上に大切と知っている

【第六の心得】作品発表の場を、自分で創る

【第七の心得】そして何よりも、写真を楽しむ


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【第三の心得:作品を撮らないカメラと、機材偏向・技術至上主義】

今回から第三の心得をご紹介します。

第三の心得とは、「最高の作品を作る道具として撮影機材には拘る。
しかし機材には溺れない」です。

さて、最初に質問です。

皆様は、カメラとは何のために存在していると思いますか?



そうですね。もちろん、
 「カメラは、写真を撮るための道具である」
というのが答えです。

これは
 「楽器は、音楽を奏でるための道具である」
 「絵筆は、絵を描くための道具である」
と同じくらい当たり前のことですね。

しかし、写真の世界を見ていると、実態はちょっと違うのではない
か、とも思います。


●作品を撮らないカメラ

例えばライカというドイツ製のカメラがあります。このカメラは独
特の質感があり、実際に手に持ってみると手が吸い付くような感触
があります。

かく言う私も、10年以上前に中古でライカM2というカメラを購
入してみました。

世の中には「ライカ沼」という沼があり、一旦ハマるとなかなか抜
け出せないのですが、私もライカにはハマってしまいました。まさ
に、持っているだけで幸せという感じです。

しかし、実際にこのカメラで作品が撮れたか、というと、私の場合
は全く撮れませんでした。

フィルム交換や巻き戻しに手間がかかる、露出計が付いていない、
ファインダー上でフィルムに実際に写る画像が確認できない、等の
使い勝手の理由もあります。実際ずいぶん撮影に出かけたのですが、
最大の理由が、何故かライカでは作品を撮ろうという気にならない
のです。

多分に相性の問題なのかもしれません。私の場合は、実際のフィル
ムに写る画像をファインダー上で確認できる一眼レフの方が、写真
を撮ろうという創造力が沸くようです。

やはり、いい写真を撮るためには、当たり前のことですが、自分に
合った機材を十分に使いこなすことが必要です。

ということで、現在の私のメインの機材は、キャノンEOS 3と
EOS 1nRSの二種類で、他に常用の3本のレンズで撮影して
います。以前はキャノンF−1、ニューF−1、EOS 5等を使
っていました。この組合せの機材を20年間続けています。

私自身、結構機材に拘る方だと思います。
ただ、一旦決めた機材は徹底的に使い続けます。

ただ、何故か作品を撮るというのとは別の世界で、ライカに凝って
しまうんですよね。散歩に出かけて、スナップを撮ったりします。

愛玩物の世界なのかもしれません。ちょうど、車に凝る人も同じか
もしれませんね。あるいは女性がバッグにハマるのと同じと言える
かもしれません。

(女性と言えば、不思議なことに、女性でこの世界にハマる人とい
うのはあまり拝見したことはありません。ちょっと脱線でした)

ちなみに、ライカ沼にハマりかけた私は、現在既にライカM2を手
放し、おかげさまで堅気(?)の写真人生を送っています。


●機材偏向・技術至上主義?

個展を開催すると、色々な方が会場にいらっしゃいます。私は写真
展ではいつも会場にいますので、よくお客様とお話しするのですが、

「これ、どんなカメラを使いましたか?やっぱり中判?」
「レンズは何ですか? カールツァイスのような味ですけど」
「この発色、フィルムはやっぱりコダックですか?」
「永井さんは、ニコン派?キャノン派?」
「絞りや露光時間はどんな感じだったんですか?」

と言ったような質問を多くいただきます。

例えば、絵画等の世界では、

「鮮やかな色ですねぇ。絵の具はどのメーカーのものを?」
「見たことがないタッチです。絵筆はやっぱりxxxxですよね?」

というような質問は、あまりないように思います。

それよりも、作品自体の中身を見られるのではないでしょうか?


●「如何に撮るか?」からの脱皮

二つの例をご紹介しました。

最初は作品を撮らないカメラ。
作品を撮るためでなく所有する喜びのためのカメラです。

二つ目は機材や技術への拘り。

何故、写真の世界ではこのようなことが起こるのでしょうか?

世界で最初の写真は1839年に発表されました。
つまり、絵画等とは異なり、写真は人類にとって非常に新しい表現
形態です。

写真が世に生まれてから約100年後の20世紀前半、フランスで
写真表現に革命を起こしたマン・レイは、「何を撮るべきか」では
なく「如何に撮るべきか」を考えている写真家が多いと延べ、「写
真は最初のうちは技術に過ぎないが、やがては本物の芸術になって
いく」と洞察しました。

マン・レイがこれらの言葉を語ってから、さらに半世紀以上が経ち
ました。

このマン・レイの主張が、実は第三の心得である

「最高の作品を作る道具として撮影機材には拘る。しかし、機材に
は溺れない」

のテーマです。

自分の衝動を表現するためには、「いかに撮るべきか」も確かに大
切です。しかし、何よりも大切なのは「何を撮るべきなのか」です。

本メルマガで第一・第二の心得を先に述べたのも、そのためです。

では、写真家は、機材について具体的にはどのように考えていけば
よいのでしょうか?

次回はその辺りから始めていきたいと思います。

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【あなたの声を聞かせてください】

本メルマガは、読者の皆様と一緒に作っていきたいと思います。
是非あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。
(記入は1−2分程度です)

<http://www.formman.com/form.cgi?gOifBUg2nMuZ8wtt>

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【先週・今週の『風の写真館コレクション』】

3週間振りの配信ですので、今回は二つご紹介します。

●先週の『風の写真館コレクション』ではTokyo Bay Areaシリーズ
から、「"Route 357 in the Blue Sky" - 京浜島、1988」をお届け
しました。

雨上がりのゴールデンウィークに湾岸に出かけてみると、1時間前
に大雨だった空がうそのように晴れ渡っていました。湾岸道路の標
識も澄み切った空気の中で映えていました。

こちらでご覧いただけます。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-010.html>

●今週の『風の写真館コレクション』では「風の景色」シリーズか
ら"Kitty Hawk, NC, USA, 1985"をお届けしました。

社会人2年目の春、初めて米国へ1ヶ月の出張に行きました。
ある週末、同僚達とライト兄弟が人類初の飛行を行った海岸に出か
けて、釣りをして過ごしました。桟橋から上に投げた餌の残りをカ
モメ達が空中で器用にキャッチするのをコンパクトカメラで夢中に
なって収めました。

こちらでご覧いただけます。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-011.html>


『風の写真館コレクション』への登録は下記でどうぞ。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html>

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【お知らせ:隔週発行に致します】

本メルマガは、次回から隔週発行に変更させていただきます。

創刊号から毎週発行で続けてまいりましたが、もう少し時間をかけ
て準備の上、発行したい、というのが理由です。

何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

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【あとがき】
3週間振りのご無沙汰でした。今回から第三の心得が始まりました。

本メルマガでは、写真の詳しい技術論には深入りせずに、その背景
にある考え方に焦点を当ててご紹介しています。

第三の心得でも、具体的なカメラの機能等の紹介は行わず、自分の
ライフワークの相棒となる機材をどのように考えればいいかという
ことを議論できればと思っております。

よろしくお願いいたします。

では、また。

                          永井孝尚

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発行人:永井孝尚 <mailto:mail@takahisanagai.jp>

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 を掲載しています。よろしければお立ち寄りください。

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Copyright(C), 2004 永井孝尚



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