━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■■『プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!』■■■■
「写真がライフワーク」と考える写真家のためのメルマガ
                     <http://www.takahisanagai.jp>
──────────────────────────────
■■■今週のポイント■■■
今回は、皆様からいただいたご意見の特集です。
ご参考になれば幸いです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第015号:2004/04/30
───────────────────────────────────
■■■目次■■■
【第二の心得のまとめ】
【皆様からのメッセージ】
【あなたの声を聞かせてください】
【今週の『風の写真館コレクション』】
【あとがき】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【第二の心得のまとめ】

第8号から先週の第14号まで、合計7回に渡ってお送りした第二
の心得のまとめです。

●第二の心得は、
『写真を趣味ではなく、ライフワーク、自己表現手段と捉え、「写
真とは何か?」を考え続けている』
でしたね。

●そもそも、何故なぜテーマが必要なのか?それは、短い人生の中
で、あなたの作品群が、あなたにしか撮れない、かけがえのない独
自のモノになるかどうかのカギが、テーマだからです。

●ただし、「テーマありき」ではなく、「これを表現したい」「こ
れを作品に残したい」という強い衝動があり、その衝動を突き詰め
ていった結果がテーマに転じます。衝動が先にあり、その結果テー
マが定まる訳です。

●骨太なテーマを5年・10年・20年・50年というスパンで追
い続け、積み重ねることで、あなたしか撮れない独自の世界を構築
することが出来ます。

●このためには、頭だけで考えず、自分の衝動を基本に深堀してい
くことが、テーマ発見の近道です。

●ただ、自分が感動したもの・好きなものを撮っていれば、それで
よいのか、というと、必ずしもそうではありません。多くのアマチ
ュア写真家は、好きなものを単に数多く撮り続けているだけで、骨
太なテーマを持っていません。

●テーマを定めるには、自分が得た衝動を出発点に、一つのテーマ
に落とし込む必要があります。そのためには、「言語化」という
手法が有効です。但し、簡単な方法ではありません。

●言語化は、表現したいテーマをシンプルな言葉で表現するために、
様々な言葉に置き換えて徹底的に考える方法です。このプロセスを
通じて、意識できない深層意識の底にある衝動を、自覚できる表層
意識まで浮かび上がらせ、テーマとして認識できるようになります。

●具体的な方法としては、写真作品や写真展のタイトルを考えてみ
るのがよいでしょう。自分の撮りたいテーマをタイトル化するプロ
セス自体が、テーマをさらに深めることに繋がります。深層意識を
深堀することになるからです。

●例えば言語化の手法は、言葉にできない衝動を他の人に分かり易
く表現するための手段として用いることがあります。これにより、
テーマを深め、昇華することができます。

●逆に、ピタっとしたタイトルが決められない作品は、テーマ自体
が十分に定まっていない可能性があります。決まるまで寝かせるこ
とも検討すべきです。

●改めて「写真におけるテーマ」とは何か?
私は、

 「自分だけしか持っていない、被写体に対する想いを定めるもの」

だと思います。単に好きなモノを撮り溜めているアマチュア写真家
と、自分の作品のアイデンティティを追い求めるプロフェッショナ
ル・サンデー・フォトグラファーの違いが、ここにあります。

●テーマは、最初の衝動をきっかけに、「言語化」というプロセス
によって定まります。

●最初に強い衝動を経験し、一生をかけて取組む写真のテーマを見
つけた方は、プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーの
入口に立っています。

●そのような衝動は、単に待つだけではなく、自分の問題意識を高
めることによって、出会える確率が高まります。この辺りは第一の
心得を改めてご参照ください。

ということでした。

詳しくは、バックナンバーを参照ください。
<http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/psp/psp-backnumber.html>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【皆様からのメッセージ】

皆様から届いた素晴らしいメッセージをご紹介します

●Wさんより

プロの写真に対する考え方が良く判ります。
私は趣味で版画をやっておりますが、未だ自分だけのテーマが出来
ず、先生の記事を参考に励みたいと思っています。
写真は、このメルマガを購読する資格の無い程のアマチュアです。
今はコンパクトデジカメで旅の写真をアルバムにしたり、版画の題
材にしたりして楽しんでいます。
また機会が有りましたら、写真の構図やレタッチについて教えてい
ただければ幸いです。


●Tさんより

とくに、コメントをするために考えをまとめたわけではなく、また
文章からの判断で申し訳ないんですが、ちょっと肩に力が入りすぎ
ている印象を受けました。

私の職業はちょっと特殊な職業で、絶対的なプロ意識を持たなけれ
ばやってゆけない世界です。

写真は趣味で長年やっていますが、写真を撮るときには気を抜いて
適当にやっているという訳ではありません。プロであるということ
の、良い意味での日常化として写真も撮っているつもりです。

しかし、写真で金を稼ぐわけではありませんので、楽しみながら撮
っています。

いま少し力を抜かれてはいかがでしょう。失礼いたしました。


●Iさんより

今回の、自分にとって骨太なテーマを持っているかどうかという問
いは、ずしりと響きました。

これは、写真のみならず、絵や詩、その他芸術、
生き方にも言えることですね。

これからも、万事に通じる写真道・術・哲学・方法論を楽しみにし
ております。


●Iさんより(別メール)

最近、自分の奥底にあるものを、どう見えるカタチにしたらいいの
だろうと考え始めていましたので、今回の「言語化」は、参考にな
りました。

また、今回、田坂広志先生を知ることができ、うれしく思っていま
す。(いままで知らなかったとは、恥ずかしい限りです)

次回も楽しみにしております。


●匿名希望の方より

私は単に好きな物を撮りためている道楽者ですが最近なにがテーマ
なのか解らなくなってきてました。錆や破れたポスター、はげたペ
ンキ、これに屁理屈で言語化したら自分なりに納得できるテーマが
作れました。有難うございます。今後も期待しています、

以下屁理屈な言い訳。

    あめつち(天地)の華(はな)

この大地より多くの物が掘り出され切り刻まれ
創造され絶賛を浴びやがてまた大地に戻る、

その いのち は一瞬のものから数百年単位の
物迄有る、大地に戻る前の美しさを「滅びの美」
と云う人がいる、それは違う厳しい雨風に耐えて
(磨かれて)華咲いているのだ、

燃え尽きる直前のローソクの炎の様に大きくかがやく、
すりきれ破れたポスター、漆のはげた仏像、磨り減った
石段 みな華咲いている、
鉄は早咲き、石は遅咲き 大地に還る時 裏道にヒッソリ華ひらく
わたしも 大地に還る前に華を咲かせたい。

  願わくば桜の下に春死なん
        その如月の望月のころ
           
                   西行法師
あめつちの華 としました。



●●●●

皆様、貴重なメッセージ、ありがとうございました。

前回同様、皆様のメッセージそのものが、読者の方々へ何よりも参
考になると思いますので、私のコメントは付けずに、皆様の生の声
をそのまま紹介させていただくことに致しました。

これからも皆様のご意見をお待ちしております。

───────────────────────────────────
【あなたの声を聞かせてください】

本メルマガは、読者の皆様と一緒に作っていきたいと思います。
是非あなたのご意見・ご質問・ご要望を聞かせてください。
(記入は1−2分程度です)

<http://www.formman.com/form.cgi?gOifBUg2nMuZ8wtt>

───────────────────────────────────
【今週の『風の写真館コレクション』】

今回は、"Graceful Flowers"シリーズから、「カモマイルの蕾−柏
木牧場、1995」です。

まだ風がどこか涼しげな初夏のハーブガーデンでは、様々なハーブ
が咲き誇っていました。芳しい香りを発する緑の中で、カモマイル
の白い蕾が可憐に咲いていました。

こちらでご覧いただけます。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/News/collection-009.html>

登録(解除)・バックナンバー閲覧は下記でどうぞ。
<http://www.takahisanagai.jp/collection/collection.html>

───────────────────────────────────
【あとがき】

素晴らしい陽気でGWが始まりましたネ。
皆様、どのようにお過ごしの予定でしょうか?

本メルマガは、都合により来週・再来週とお休みをいただきます。

5月21日より、第三の心得「最高の作品を作る道具として撮影機
材には拘る。しかし機材には溺れない」を始めます。お楽しみに。

では、三週間後にお会いしましょう。

                          永井孝尚

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行人:永井孝尚 <mailto:mail@takahisanagai.jp>

 『風の写真館』<http://www.takahisanagai.jp>で作品やコラム
 を掲載しています。よろしければお立ち寄りください。

●ご意見・コメント・ご質問はこちらまで
<mailto:news@takahisanagai.jp>
●登録・解除・バックナンバー閲覧はこちらまで
<http://www.takahisanagai.jp/photoexhibition/photoexhibition.html>

●このメールマガジンは、 まぐまぐ<http://mag2.com/>、
 melma!<http://melma.com/>のシステムを利用し
 配信しています。

●メルマガ【プロフェッショナル・サンデー・フォトグラファーへ!】
は無料です。お友達にも是非お奨め下さい

●本メルマガは自由にお友達に転送ください。
転送いただく場合は、メルマガ全体を編集せずに、そのままお送
りいただきますようお願いいたします。

Copyright(C), 2004 永井孝尚



【バックナンバーへ戻る】